例えば、ある人が同じ失敗を繰り返している場合、それはその人が無意識に、ある特定の見方で自分やまわりの世界を捉えている場合がかなり多い。そこで、そんなときは、「あなたのレンズは、いまこういうレンズだよ」「違うレンズでまわりの世界を捉えると、違う景色が見えるのでは?」という気づきを与えていく。
それは教えてすぐにどうなる類のものではないけれど、それを知ることが気づきに変わり、やがて同じ失敗のパターンが表れたときに対処できるようになる。
同様に、会社の戦略や経営判断、組織運営に関する重要な意思決定を行う幹部会議でも、僕はその人に寄って、見方や考え方の偏りを気づかせるイメージで行っている。経験と実績が豊富な幹部であっても、すべての能力でバランスが取れている人はなかなかいないので、足りない部分や甘い部分を軌道修正してあげることはとても大事だ。
プロデューサー同士が互いを指摘するように
最近は、僕が指摘しなくても、プロデューサー同士がお互いに指摘し合いながら対応力を高めており、若者の才能を引き出しプロデュースしたり、チームを牽引したりする力は、他の一般企業と比べてもかなり強くなっていると見ている。そうして、各プロデューサーの能力が上がっていくことで、複利のようによい組織になっていくと思っている。
他にも、社内でコミュニケーション量を増やし、効果的な情報共有と意思決定を促すために様々な会議を実施している。
まず、売上規模が近いブランド同士が集まり、ノウハウや経験を共有するブランド間の横断的な「横串の会議」を定期的に開催している。yutoriはとにかくブランド数が多いので、各ブランドの成功事例や課題を共有し学び合うことで、組織全体としての成長をドライブさせることができるのだ。
また、職種別の「縦串の会議」も頻繁に行っている。こちらの会議でも、マーケティング、クリエイティブ、マーチャンダイジングなど、各職種の最新情報や課題、戦略などを共有し、専門性や組織全体のパフォーマンスの向上を目指している。


