リーダーシップ

2025.11.27 14:30

パーパス重視の経営により、従業員のエンゲージメントを得る方法

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パーパスを、日々の業務の中で見えるものにする方法

パーパスは、日々の行動の中に現われて初めて、信用できるものになる。人々は、信頼性を判断する際に、言葉ではなく、一貫性を根拠とする。

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会社が「イノベーションを評価する」とうたいながらも、実際には失敗した従業員を罰していると、メッセージは伝わらない。また、リーダーがウェルビーイングを口にしながら、自身はまったく休みをとらないようでは、部下は聞く耳を持たなくなるだろう。

リーダーは、簡単なことから始められるはずだ。ミーティングの議題を、会社が掲げるパーパスの方向性と一致させてみよう。また、あなた個人のパーパスが「生活の向上」であるなら、先週の仕事の中でどのようにそれを実践できたか、実例を元にして議論を始めてみよう。持続可能性をミッションとしているなら、それを反映する指標や意思決定で形にするといい。意図に結びついた行動が反復されるのであれば、反復は冗長にはならない。

採用や勤務評定にまつわる慣習も、パーパスが体現される場となる。利益に寄与する成果だけを評価の対象としていると、「利益がすべてに優先する」というメッセージを社員に送ることになる。勤務評定でも、業績とパーパスへの貢献度のあいだでバランスをとるようにすれば、どんなポスターよりも速く行動の変化を起こせるはずだ。

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コミュニケーションのスタイルも重要だ。社会的学習に関する研究によると、部下は、リーダーが規範としているものから学びの手がかりを得ることがわかる。リーダーが、自身の仕事をパーパスとリンクさせれば、周囲の従業員もこれに従う。

「今回の決定は、このような理由で、我々が依って立つ理念の支えとなる」といったシンプルな説明を付け加えるだけで、戦略を意義あるものに変えることができる。こうしたサインが時とともに蓄積すれば、それが企業文化になっていく。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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