米国防総省は24日、民主党のマーク・ケリー上院議員(アリゾナ州選出)が「重大な不正行為の疑い」で同省の調査対象となっていると発表した。退役軍人で元宇宙飛行士のケリーを含む民主党議員6人は、米軍兵士に違法な命令を拒否するよう呼びかける動画を18日に公開しており、ドナルド・トランプ大統領が「死刑に値する」と非難していた。
調査のきっかけとなった動画では、湾岸戦争の「砂漠の嵐作戦」に従軍した経験を持つ元海軍大佐のケリーらが、トランプ政権による複数都市への州兵派遣をめぐって「軍を米国市民と対立させようとしている」と政権を非難。「違法な命令は拒否できる」「違法な命令は拒否しなければならない」と米軍兵士らに呼びかけている。
国防総省は、ケリーに対する「徹底的な調査」を開始したと発表。調査結果によってはケリーに現役復帰を命じ、軍法会議にかけるとしている。
ピート・ヘグセス国防長官は24日夜、X(旧ツイッター)への投稿で、ケリーは動画に出演した民主党議員の中で唯一、米軍将校として退役した人物であり、そのため現在も国防総省の管轄下で軍規の対象となっていると説明した。
国防総省は、ケリーを調査する根拠として「軍の忠誠心、士気、秩序および規律の妨害を目的とした行為」を禁止する連邦法を挙げている。



