北米

2025.11.25 12:30

米国防総省、米兵に命令拒否呼びかけた民主党議員を調査 軍法会議も示唆

民主党のマーク・ケリー上院議員。2022年11月8日撮影(Kevin Dietsch/Getty Images)

「脅しは効かない」とケリー

国防総省の調査開始を受け、ケリーは声明を発表。「私や他の議員たちが職務を遂行し、政権に説明責任を果たすよう求めることに対する脅しであるならば、その効果はない」「私はこの国に多大な貢献をしてきた。憲法を守ることよりも、自らの権力ばかりを大事にする恫喝者に、私の口を封じることなどできはしない」と述べた。

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動画でケリーは何を語ったか

米海軍の不屈の精神を象徴するモットー「Don’t give up the ship(艦を諦めるな)」を見出しに掲げた動画で、ケリーら6人の民主党議員は代わる代わる米軍関係者や情報機関職員に向けて、米軍に対する国民の信頼が危機に瀕していると訴え、合衆国憲法への脅威は「まさにこの国内から」もたらされていると主張。ケリーは「わが国の法律は明快だ。違法な命令は拒否できる」「君たちの用心が極めて重要だ」と呼びかけた。

「反逆行為だ、死刑に値する!」

この動画は、トランプ政権による軍の運用が物議を醸す中で公開された。トランプ政権は、ロサンゼルスや首都ワシントンなどの大都市に州兵を配備したり、議会の承認なしに太平洋やカリブ海で麻薬密輸船と一方的に断定した船舶への攻撃を承認したりしている。オレゴン州ポートランドやシカゴへの州兵の派遣については違憲だとして裁判所の差し止め命令が出たが、シカゴへの派遣をめぐってトランプ政権は最高裁に上告している。麻薬密輸船だとされる船舶への米軍の海上攻撃は、これまでに少なくとも21回行われ、少なくとも83人を殺害した。

違法な命令を拒否するよう米兵に呼びかける動画はただちにトランプの目に留まった。トランプは、自身が創設したSNSのトゥルース・ソーシャルへの投稿で「反逆行為だ、死刑に値する!」とケリーら民主党議員を非難。その後、フォックスニュースのラジオ番組で、昔ならそんなことを言ったら死刑だったという意味だと釈明し、「死をほのめかして脅迫したわけではない。だが、彼らは深刻な事態に直面していると思う」と述べていた。

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forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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