36. Torre de Palma(トッレ・デ・パルマ)
所在地:ポルトガル、アレンテージョ
トッレ・デ・パルマは、1338年に遡る伝統を持つブティック・ワイン農園兼ホテルだ。2014年に建築家ジョアン・メンデス・リベイロが修復し、中世の塔と、手摘みと現代醸造を融合したワイナリーを備える。来訪者はバシリイ家の遺産を、乗馬、オリーブオイル試飲、ブドウ畑ツアーで辿ることができ、スパで寛ぎ、レストランPalmaで季節のアレンテージョ料理と農園のレゼルヴァ・ダ・ファミリア・コレクションやトッレ・デ・パルマ・レゼルヴァを合わせられる。客室はわずか19。ブドウ踏みや星空観察などの没入体験が、ポルトガルの職人的ワイン文化への個人的な入口を提供する。
37. De Martino(デ・マルティノ)
所在地:チリ、セントラル・ヴァレー、イスラ・デ・マイポ
デ・マルティノは、1934年、イタリア移民ピエトロ・デ・マルティノが創業。四世代家族経営で、テロワール主導・サステナブルなチリワインのベンチマーク。天然酵母、極力の介入抑制、アンフォラやフードルといった伝統容器を重視。特にイタタ・ヴァレーの古木サンソーやマスカットを用いる「Viejas Tinajas」(ヴィエハス・ティナハス)シリーズが知られる。イスラ・デ・マイポの農園では有機の畑を巡り、コロニアル様式の屋敷を見学し、単一畑のカリニャン、古木パイス、祖伝のマスカットなどの少量ロットのガイド試飲に参加できる。また同ワイナリーは、忘れられていたチリの伝統品種(パイスやサンソーなど)の復活や、チリで初めて『カルメネール』とラベル表示したワインを造った先駆者としても知られている。
38. Duckhorn Vineyards(ダックホーン・ヴィンヤーズ)
所在地:米国カリフォルニア州ナパ・ヴァレー
ダックホーン・ヴィンヤーズは、1976年、ダンとマーガレット・ダックホーンが創業。1978年にカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロの800ケースから開始し、ナパにおけるメルロの地位向上に大きな役割を果たした。現在はナパ・ヴァレーに286エーカーを展開し、セント・ヘレナのエステート・ハウスで来訪者を迎える。代表作は高名なスリーパームス・ヴィンヤード・メルロとノースコースト・ソーヴィニヨン・ブラン。醸造家ルネ・エイリーが、ボルドー系品種に焦点を当てて手がける。
39. Seppeltsfield(セペルツフィールド)
所在地:オーストラリア、バロッサ・ヴァレー
1851年に設立されたセペルツフィールドは、オーストラリアで最も歴史的な農園の一つで、「センテニアル・セラー」(1878年に遡る単一品種タウニーの世界唯一の途切れない血統)で有名だ。来年175周年を迎える予定のこの農園の壮大な入り口は、象徴的なヤシが並ぶ並木道を特徴としている。5km以上の長さで、2000本のカナリーナツメヤシに縁取られている。
中心には1888年築のグラヴィティ・セラーを再生したツーリズム・ビレッジがあり、ラグジュアリー試飲を提供するセラードア、レストランFINO、プロヒビション・ジン蒸留所、そして最近ではTiny Knife Shopを擁する。地球上で唯一、樽から直接100年物のワイン(パラ・ヴィンテージ・タウニー)を味わえる場所である。
40. Bodegas Salentein(ボデガス・サレンテイン)
所在地:アルゼンチン、メンドーサ州ウコ・ヴァレー
ボデガス・サレンテインは、1990年代後半、オランダの実業家マインデルト・ポンが立ち上げ、ウコ・ヴァレーを世界的なワイン生産地へと再定義した。アンデスの宇宙観を想起させる十字型のワイナリーは標高1200メートルに建ち、重力を活かした醸造で、シングル・ヴィンヤード・マルベック、プリムス・ピノ・ノワール、ヌミナ・グラン・コルテなど高地表現を生む。敷地内では現代アートのギャラリーと彫刻庭園を備える文化施設Killkaを探索し、レストランKillkaで食事し、ブドウ畑に囲まれたブティック・ロッジ「ポサーダ・サレンテイン」に滞在できる。


