16. Weingut Dr. Loosen(ワイングート・ドクター・ローゼン)
所在地:ドイツ、モーゼル
ワイングート・ドクター・ローゼンは、古代の粘板岩土壌と断崖のような斜面が風景を形作るモーゼル川の上方で、二世紀以上にわたりリースリングを栽培してきた。ベルンカステル=クースに拠点を置き、ヴェーレナー・ゾンネンウーア、ユルツィガー・ヴュルツガルテン、エルデナー・プララートなどドイツ屈指の畑を耕作し、多くは1900年以前に接木なしで植えられた木である。1988年にエルンスト(エルニ)・ローゼンが継承してからは、収量を大幅に削減しテロワール重視へ回帰。国際的評価を押し上げた。重力に挑むような畑を見学し、歴史的邸宅でプラディカートやGGのリースリングを試飲し、辛口の『ファースト・グロウス』(ドイツ最高格付けワイン)の哲学を学べる。
17. Chateau Smith Haut Lafitte(シャトー・スミス・オー・ラフィット)
所在地:フランス、マルティヤック
シャトー・スミス・オー・ラフィットは、松林と砂利土壌に囲まれ、「バイオ・プレシジョン」(生物精密)の哲学のもと、グラン・クリュ・クラッセ(格付け高級ワイン)のワインが有機農法、衛星マッピング、何世紀ものサヴォワールフェール(伝統職人技)から生まれる。1990年にフロランスとダニエル・カティヤールが取得して以降、製樽所、アートに満ちたセラー、グラヴィティ・フローのワイナリーを備える。ビオディナミの畑を巡り、カベルネ・ソーヴィニヨンとソーヴィニヨン・ブランの垂直試飲を体験し、La Table du Lavoirで食事できる。道を挟んだLes Sources de Caudalieでは、ヴィノセラピー、森林散策、スパを提供。ブドウ種子のスクラブや赤ぶどう葉のフェイシャル、樽風呂など、同エステートのブドウから生まれたスキンケアブランド「コーダリー」との提携メニューもある。
18. Fattoria La Vialla(ファットリア・ラ・ヴィアッラ)
所在地:イタリア、トスカーナ
ファットリア・ラ・ヴィアッラは、1978年にロ・フランコ家が再興した、二世代にわたる家族経営のエステート。1600ヘクタールに及び、イタリア最大のデメター認証ビオディナミ耕地を有する。なだらかなブドウ畑、百年のオリーブ林、放牧地、保全された森林がモザイク状に広がる。セラーでは受賞歴のあるヴィーガンワインを、亜硫酸塩を可能な限り減らして造る。力強い赤からスパークリングまで幅広い。宿泊は修復された農家で、蔓の絡むブドウ棚の下で食事し、季節の収穫やパスタ作りのワークショップにも参加できる。オリーブオイル、熟成ペコリーノ、パスタ、有機ソース、菓子などの手仕事品も、環境配慮のハンパーで提供する。
19. Domaine Drouhin(ドメーヌ・ドルーアン)
所在地:米国、オレゴン州
ドメーヌ・ドルーアンは、1987年、ブルゴーニュのドルーアン家が創設。ウィラメット・ヴァレーのダンディ・ヒルズを見下ろす地にあり、四代目醸造家ヴェロニク・ドルーアンが各ヴィンテージを監督する。1988年に初リリースのピノ・ノワールは手摘みで、天然酵母で発酵。チェリーやラズベリー、土っぽいスパイスの生き生きとした表情を示す。235エーカーの敷地は持続可能に管理され、Low Input Viticulture and Enology認証を取得。ローリンヌ・ピノ・ノワールやアーサー・シャルドネなどで世界的評価を得る。
20. Huarpe Riglos Family Wines(ウアルペ・リグロス・ファミリー・ワインズ)
所在地:アルゼンチン、メンドーサ
ウアルペ・リグロス・ファミリー・ワインズは、2003年、エルナンデス・トソ家とヴェルタイン家により創業。メンドーサの先住民ウアルペ族の遺産を、サステナブルなブドウ栽培とテロワール重視のブレンドで称える。アルゼンチンの名高い二つの地域、アグレロとグアルタジャリからブドウを調達し、Riglos Gran Corte(リグロス・グラン・コルテ)やGuayquil El Elegido(グアイキル・エル・エレヒド)のようなエレガントなワインを生む。ワイナリーの中心には文化的遺物が立つ。メンドーサ唯一のベルリンの壁のオリジナル断片で、芸術家エガル・ムリーヨとヴィヴィアン・レヴィンソンが、統一と自由の象徴へと昇華させた。来訪者は現代アルゼンチン美術の回顧展「Pampa Collection」を鑑賞し、樽室や畑を望むラウンジでの「Art & Terroir」ツアーなどのガイド付き試飲に参加できる。


