食&酒

2025.11.24 16:30

Virgin Winesが選ぶ「世界最高」のワイナリー50

アルゼンチン、メンドーサのワイン農園(Shutterstock.com)

6. Quinta da Aveleda(キンタ・ダ・アヴェレダ)

所在地:ポルトガル、ヴィーニョ・ヴェルデ

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キンタ・ダ・アヴェレダは、1870年にマヌエル・ペドロ・ゲデスが創業し、ゲデス家が五代にわたり経営する。ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデの中心にあり、精緻なワイン造りと国内屈指のプライベートガーデンを融合させる。8ヘクタールの庭園には317種の動植物が保全され、古いコルク樫、美しいツバキ、樹齢300年のユーカリなどもある。装飾的な池や苔むした噴水、17世紀の礼拝堂や由緒あるヴァンドマの泉など建築的宝物を歩いてめぐることができる。ガイド付き試飲や庭園ピクニックに加え、敷地内で手がかりを解読して19世紀の失われたワインボトルを探す「Escape Garden Challenge」といった没入型体験もある。

7. Terrazas de los Andes(テラサス・デ・ロス・アンデス)

所在地:アルゼンチン、メンドーサ

テラサス・デ・ロスアンデスは、アンデスの山を仰ぐ、標高1000〜1650メートルの畑からワインを造る。ウコ・ヴァレーのグアルタジャリにおける最高標高地点の畑としても知られる。1996年にモエ・ヘネシーが創業し、ペルドリエルの19世紀スペイン様式ワイナリーを再生。現在、来訪者はヴォールト天井のセラーを巡り、高い標高がもたらすマルベックやシャルドネを試飲できる。サステナビリティは徹底されており、氷河融水を守る精密な点滴灌漑から再生型農業に至る技術の採用が進んでいる。テイスティングでは、山の陽光がもたらす緩やかな成熟、アンデスの融水の清冽さ、フランス的洗練の融合を体感できる。

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8. González Byass(ゴンザレス・ビアス)

所在地:スペイン、カディス州(ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ)

ゴンザレス・ビアスは、1835年、マヌエル・マリア・ゴンザレスが歴史的バリオ・デ・サン・マテオでシェリー造りを始めたことに起源を持つ。現在、19世紀のボデガ群が迷路のように広がり、イサベル2世のために設計されたラ・コンチャなどが含まれる。ヨーロッパ最古級の稼働するクーパレッジ(樽工房)も併設。大聖堂のようなセラーで、黒ずんだ梁の下で熟成されるアモンティリャードやペドロ・ヒメネスを見学し、蔦に覆われた中庭を散策し、王族の署名が記された樽からティオ・ペペを試すことができる。

9. M. CHAPOUTIER(エム・シャプティエ)

所在地:フランス、ローヌ渓谷

エム・シャプティエは、1808年からタン・レルミタージュに根を下ろし、区画ごとの精密なビオダイナミックなアプローチで知られるローヌの象徴的生産者。1990年以降ミシェル・シャプティエの先見的な指導の下、ビオディナミ農法を深化させ、点字表記ラベルを導入したことでも知られる。日差しに満ちたエルミタージュの段々畑では、シラーが岩っぽい斜面に、マルサンヌが粘土石灰質土壌に育つ。ガイド付きの畑歩きでは、ル・メアルやレ・グレフィユーといった区画の個性を学べ、セラーではアイコニック・キュヴェの試飲、社内ソムリエによる入門講座、ローヌの食文化を映す季節のペアリングを体験できる。

10. Luigi Bosca(ルイジ・ボスカ)

所在地:アルゼンチン、メンドーサ

ルハン・デ・クージョのフィンカ・エル・パライソは、1901年から四世代にわたるアリス家が形作ってきたルイジ・ボスカの精神的中枢だ。1905年に建てられ、2022年に修復されたフランス様式の邸宅を中心に、百年のマルベックがそびえる並木やジャカランダに囲まれた90ヘクタールのエステートが広がる。ここで来訪者はマルベック、フィンカ・ロス・ノブレス、ソーヴィニヨン・ブランの厳選テイスティングを体験し、レストランRaícesで食事し、ルハン・デ・クージョのD.O.C.創設時における同家の役割を辿ることができる。

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翻訳=酒匂寛

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