またAIとお金の話をしよう。今回はエージェント型AI(Agentic AI)についてだ。
「でも、エージェント型AIがジュニア層の仕事を奪っているのではありませんか?」
そのとおりだ。だが、あなたがエージェント型AIを管理し、導入できるなら、昇給が見込めるだけでなく、2026年以降の「働き方の未来」において、まったく新しい職種のチャンスが開ける可能性がある。
その理由は次のとおりだ。
・エージェント型AIは、退屈な事務作業や初歩的なリサーチ、分析、その他の準備作業を省き、あなたのようなプロフェッショナルがより上流の戦略業務に集中できるようにする。その結果、本来期待されている仕事に専念でき、成果を高め、雇用主に対して存在感を示せるようになる。
・リーダーとして、あるいは部下を持たない現場の担当者であっても、AIエージェントを管理する方法を知っていれば、革新的で適応力があり、企業の最優先課題の「AI変革と導入」を推進できる人材として、自身の価値を高められる。
・企業はエージェント型AIの活用によるコスト削減効果を認識し始めている。新年のAI戦略の中核に据えるだろうことを、Asanaの「State of AI at Work 2025」レポートが示している。
・一方で、エージェント型AIとはそもそも何かを理解し、職場の適切な文脈で活用しつつ、人間の関与(human-in-the-loop)の余地を確保するには、依然として大きな学習曲線があることも同レポートは明らかにしている。
こうした要因の組み合わせによって、AIイノベーションの局面で不可欠な存在となることで、給与プレミアムは最大56%に達し得るとプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の調査は示している。
エージェント型AIとは何か
エージェント型AIとは、複雑で多段階、マルチモーダルなタスクを、自律的にかつ最小限の監督で遂行できる「自動化されたチームメイト」を指す。バックグラウンドでタスクを実行でき、プロジェクトマネージャーや専門オペレーターの時間を大幅に短縮する(もっとも、活用分野や業界は多岐にわたる)。
エージェント型AIは、与えられた指示と学習済みの情報を基に、日々使っている各種ツール(Slack、Asana、CRMプラットフォームなど)と連携してタスクを実行する。
エージェント型AIの実例
顧客データを処理してインサイトを抽出し、週次レポートを生成するエージェントを構築・展開する。あなたはそのレポートをチェックし、毎週の関係者会議に持参できる。



