フォーブスは11月18日、優れた最高技術責任者(CTO)、最高情報責任者(CIO)、最高情報セキュリティ責任者(CISO)を表彰する年次リスト「2025 CIO Next」を発表した。このリストには、50人の優れたリーダーが選ばれる。
米チポトレの社長(President)兼最高戦略・技術責任者(CTO)のカート・ガーナー(56)は、同社のわずか5%だったオンライン売上比率を、全体の3分の1を超えるまでに押し上げた。その実績が評価され「2025 CIO Next」の1人として選出された。
時代遅れのFAX注文を全廃し、アプリ導入でDXに着手
カート・ガーナーは2015年、メキシコ料理チェーン「チポトレ」初の最高情報責任者(CIO)に就任した。まず衝撃を受けたのは、全米2000店に届く注文のかなりの割合が、時代遅れのFAXで送られたものだったことだ。その年だけで2250万ドル(約35億円。1ドル=155円換算)の売上がFAXによる注文だった。
「当時は、ウェブサイトにアクセスしてFAXの注文用紙をダウンロードする仕組みだった。客はその用紙に記入し、店に送信する。でも、注文が届いたかどうかの確認はできないし、結局店に行って列に並んで支払う必要があった。本当にちぐはぐな仕組みだった」とガーナーは振り返る。
こうしたFAX注文は、1993年創業の「ファストカジュアル」形式の外食チェーン、チポトレにおけるデジタル売上のわずか0.05%に過ぎなかった。しかしデジタル化を進めるうえで、ガーナーはすぐにこれを廃止し、アプリ注文やリワード型のロイヤルティー制度を軸にしたデジタルトランスフォーメーション(DX)に着手し、オンライン事業の強化に乗り出した。



