米国土安全保障省(DHS)は米国時間11月20日、自身の公式Xアカウントを用い、不法移民が、失業問題、安全懸念、交通問題、および家賃や住宅、食料品、自動車、医療コストの増加など、米国内のさまざまな問題を引き起こしていると主張した。
DHSの公式アカウントは、「仕事が足りない!」や「家が買えない!」などと書かれた不満の一覧を投稿し、それぞれに「わが国には数千万人規模の犯罪的な不法移民がいる」という一文を続けた。
米国内の移民数と9つの異なる問題を結びつけた後、投稿は「問題は多い。答えは単純だ」と締めくくり、移民の強制送還がこれらの問題を解決するという意見を含ませた。しかし、提示した問題がどのように移民と結びついているのかについての説明はなかった。
“Rent is too high!”
There are tens of millions of criminal illegals in our country.
“Groceries cost too much!”
There are tens of millions of criminal illegals in our country.
“There aren’t enough jobs!”
There are tens of millions of criminal illegals in our country.
“Women…— Homeland Security (@DHSgov) November 20, 2025advertisement
DHSは、福祉支出、失業、そして女性が「通りを歩いていて安全だと感じられない」ことについても移民を非難したが、専門家の多くは、これらの問題の主要因が移民であるとはいえないとの意見で一致している。
また同省は、自動車や食料品価格の上昇の原因についても、移民人口増加による影響を挙げた。しかし、フォードのマーク・フィールズ元CEOはCNNに対し、大規模な強制送還が労働力不足を引き起こし、結果として自動車価格上昇につながる可能性があると述べ、食料品価格についても同様の指摘がなされている。
移民・関税執行局(ICE)を管轄するDHSは、トランプの大統領選挙キャンペーン時に約束された大規模な強制送還を実施しながら、以前からXアカウントを使って移民を根拠なく批判し続けている。
この1年、住宅向け電気料金、電子機器、食料品などの価格上昇は、米国民にとってますます大きな懸念となっている。しかし、ドナルド・トランプ大統領は、生活費の上昇を示す証拠があるにもかかわらず、米国民が出費を心配しているという主張を繰り返し否定した。大統領は先日、経済に関する世論調査を「偽物」と呼び、物価負担に関する懸念は「民主党による詐欺だ」と述べている。
11月初め、共和党がいくつかの選挙に敗れた後、トランプは民主党が「経済が悪化している」という物語を捏造していると非難し、「民主党が言う『価格の手頃さ(Affordability)』問題は死んでいる!ウソをつくのをやめろ!!!」と主張した。11月初めの調査では、米国民の4分の3以上がみずからの家計に不安を感じていると答え、ワシントン・ポスト/ABCニュース/イプソスの調査でも、多くの米国民が1年前より食料品や公共料金により多く支出していると述べている。



