スタートアップ

2025.11.18 08:00

ジェフ・ベゾス、約9610億円調達のAIスタートアップ共同CEOに就任へ

米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス。2025年5月1日撮影(Shutterstock.com)

米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス。2025年5月1日撮影(Shutterstock.com)

米アマゾン創業者のジェフ・ベゾスが、新しいAI(人工知能)スタートアップの共同最高経営責任者(CEO)に就任すると、米紙ニューヨーク・タイムズが17日に報じた。2021年にアマゾンCEOを退任して以来、ベゾスが経営に絡む重要な役職に就くのはこれが初めてとなる。

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報道によると、この「Project Prometheus(プロジェクト・プロメテウス)」は「世界で最も資金力のある初期段階のスタートアップの1つ」。すでに62億ドル(約9610億円。1ドル=約155円換算)の資金調達を完了しており、ベゾス自身も出資しているという。

匿名の情報筋を引用したNYタイムズの報道によれば、ベゾスとともに共同CEOを務めるのは、以前グーグルで先端技術の研究開発を極秘に担う部門「グーグルX」のディレクターを務めた科学者ヴィク・バジャジだとされる。

バジャジはLinkedIn(リンクトイン)のプロフィール欄を更新済みで、現在の肩書はプロジェクト・プロメテウスの共同CEO兼共同創業者と記載されている。ただ、このスタートアップのプロフィールページはほぼ空白で、ロゴも黒塗り状態だ。説明文には短く「物理経済のためのAI」とのみ記されている。

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ベゾスは今のところ報道内容に関して公にコメントしていない。最近のソーシャルメディア投稿は、宇宙企業ブルーオリジンが先日行った大型ロケット「ニューグレン(New Glenn)」の打ち上げに関するものが中心となっている。

プロジェクト・プロメテウスについて分かっていること

現段階で明かされている企業情報は限定的だが、NYタイムズによるとプロジェクト・プロメテウスは「コンピューター、航空宇宙、自動車」をはじめ複数の分野にまたがる設計・開発と製造を支援するAIに注力するとされる。

同紙は匿名の関係者3人の情報として、同プロジェクトがすでに従業員100人を採用し、その中にはオープンAI、グーグル・ディープマインド、メタから「引き抜かれた」研究スタッフも含まれていると伝えた。

プロジェクト・プロメテウスの活動内容がアマゾン本体のAI事業と重複したり、影響を及ぼしたりするかは不明だ。

フォーブスの推計による現時点でのベゾスの純資産は2459億ドル(約38.1兆円)で、電気自動車大手テスラCEOのイーロン・マスク、ソフトウェアメーカーのオラクル会長のラリー・エリソンに次ぐ世界3位の富豪だ。

AIスタートアップをめぐっては昨年11月、「汎用AIを物理世界に導入する」ことを目標に掲げるPhysical Intelligence(フィジカル・インテリジェンス)が、ベゾスを含む複数の投資家から4億ドル(当時のレートで約600億円)の資金を調達している。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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