4. 優秀賞:「ナンヨウマンタとゴマニザ(Reef Manta Rays And Whitespotted Surgeonfish)」
グアム、タモン湾海洋保護区のターコイズブルー色の水の中で、映像作家のティム・ロックは、つかの間の自然現象を記録した。ナンヨウマンタ(学名:Mobula alfredi)とゴマニザ(学名:Acanthurus guttatus、体長25cmほどの魚)の間で繰り広げられる摂食イベントだ。
夕暮れが訪れ、ゴマニザたちから放出された卵で水の色がミルク色に変わると、マンタが口を開いたまま海流に乗って滑空するように泳ぎ、ほんの数分しか続かないつかの間の栄養豊富なごちそうを楽しむ。
グアムのマンタは、小規模な定住集団の一部をなす。太平洋全域に分布する近縁種の多くと同じく、このマンタも、グアムの深くて透明な海に適応し、魚の産卵を利用して栄養を取る(これらの魚の産卵は、月の満ち欠けの周期と一致している)。
海洋生物学者のジュリー・ハートアップ率いるミクロネシア自然保護連合(Micronesian Conservation Coalition)の研究チームは、マンタが生息場所の喪失や海洋条件の変化にどう対応しているかを理解するため、そうした行動を研究している。ナンヨウマンタは繁殖のスピードが遅く、人間活動による圧力の増大にも直面しており、「危急種」に分類されている。
ロックの映像は、マンタの優美さと忍耐強さをとらえており、海の健康にとってこの巨大な生物の保護が不可欠である理由を際立たせている。
自然の警告
ここで紹介した受賞作品の短編映像は、極域から熱帯まで、自然の美は、目で見るものであると同時に心で感じるものでもあることを思い出させてくれる。それぞれの物語は、生物と環境の繊細なバランスと、その両方を守る上で私たちが担う責任を浮き彫りにしている。


