リアル日本館での対面
デジタル空間で別れた3週間後、大学生たちは万博会場の日本館にリアルに集まりました。日本館の建築そのものが「内と外のあいだ」を曖昧に表現する構造になっていたり、万博会場から集められたゴミが素材や水、エネルギーに再生されるバイオガスプラントになっていたりすることを知り、驚きの声が上がっていました。
プラント・ファーム・ファクトリーの3エリアからなる日本館全体で、微生物やエネルギーそのものに扮したキャラクターが紹介したりしてくれているので、循環の思想を空間全体で体験することができた様子です。「藻の役割が想像以上にすごくてびっくりした。藻最強!」「日本館アテンダントユニフォームまで循環が考えられていて感動した。」「高校生のときに教えてくれていたら、藻の研究者になっていたかも」などと嬉しい感想もたくさん聞くことができました。
ワークショップ会場に着いた大学生たちに、筆者からバーチャル日本館とリアル日本館の両方の体験を対比させるような問いかけをさせてもらったのですが、大学生の皆さんが見事に自分たちの言葉で日本館が贈ったメッセージを咀嚼している様子が逞しく思いました。
Phase2:大学生から中学生へのオンライン授業配信の様子
大学生自身も問いの力で自らの考えが深まる実感をもったところで、自分たちがそこで見つけた日本館の魅力をさらに次の世代である中学生たちに伝えようとする強い意志を示してくれました。
「問いの投げかけ方によって受け手の捉え方が大きく変わることを実感した」
「万博を体験していない中学生たちに魅力を100%届けたい」
中学生へのオンライン授業
冒頭で紹介したオンライン授業は、この準備と段取りを経て迎えた一日の様子です。2020年に私たち日本館基本構想委員会が頭に描いていた年代の子たちが、まさに5年の歳月を経て大学生となり、万博チルドレンの一人としてまた次の世代である中学生年代に向けてそのメッセージを届ける役割を担ってくれたのです。


