先週は大規模な太陽フレアの影響で壮大なオーロラが高緯度地域の夜空を彩り、地上の宇宙線量が増加する「GroundLevel Event(GLE)」と呼ばれる珍しい現象も観測された。今週は、週明け早々に「しし座流星群」が極大を迎える。2025年はここ数年で最高の観測チャンスになりそうだと予想されており、高速で夜空を駆ける明るい流れ星の出現に期待がかかる。
極大時刻は11月18日(火)午前3時ごろと予測され、未明~明け方が最も見ごろとなるが、今後1週間ほどは流星を目撃できる可能性がある。高緯度地域ではオーロラとの共演も見られるかもしれない。
毎年11月、地球はテンペル・タットル彗星(55P/Tempel-Tuttle)が太陽系内に残した塵の帯(ダストトレイル)を通り抜ける。このとき地球大気圏に突入する塵の粒子が、年間でも指折りの有名な流星群、しし座流星群を生みだす。
米国流星学会(AMS)によると、しし座流星群の活動期間は11月6日~30日だが、観測に挑むなら狙うべきは極大夜だ。流星が飛び出してくる「放射点(輻射点)」はしし座にあり、しし座が東の空高く昇ってくる未明~明け方が観察に最適だろう。極大時には1時間に最大15個程度の流星が出現する。
午前4時ごろに細い月が昇ってくるが、新月が目前のため月明かりの影響は小さい。晴天であれば、ほぼ完璧な流星観測条件となる。
米海洋大気庁(NOAA)は日本時間17日朝~午後にG1クラスの磁気嵐の発生を予測しており、高緯度地域ではオーロラが出現する可能性がある。
しし座流星群の母天体
流星群とは、彗星が太陽系内で放出した塵が帯状に分布するダストトレイルと呼ばれる領域を地球の軌道が横切る際に生じる現象だ。しし座流星群の「生みの親」である母天体はテンペル・タットル彗星(55P/Tempel-Tuttle)といい、33年周期で太陽を公転する周期彗星である。
地球がダストトレイルに接近すると、大気圏に突入した塵の粒子(流星物質)が大気と衝突してエネルギーを生じ、プラズマとなって発光する。これが鮮やかな光の軌跡として見えるのが流れ星だ。
ダストトレイルには塵の濃度が高い部分があり、そこを地球が横切ると流星数が増加する。テンペル・タットル彗星が次に太陽に接近する2032年から2033年にかけて、地球は濃いダストトレイルを通過するとみられ、流星雨をはるかに凌ぐ壮大な数の流星が降り注ぐ「流星嵐」が観察できるかもしれない。
しし座流星群の流れ星は流星群の中でも最速で、大気圏への突入速度(対地速度)は秒速約70kmに達する。明るい流星が多く、「火球」と呼ばれるひときわ明るい流星が夜空にしばらく消えない光の軌跡(流星痕)を残すこともある。
しし座流星群、NASAの観測アドバイス
双眼鏡や望遠鏡は不要だ。流星群は肉眼のほうが見つけやすい。必要なのは、雲のない晴れた暗い空と、十分な忍耐力だけである。米航空宇宙局(NASA)は、しし座流星群の観測を成功させるコツとして以下を実践するようアドバイスしている。
・夜半過ぎに観測を始める
・街灯や町明かりから十分に離れた場所で観測する
・寝袋や毛布、折りたたみ椅子などを用意し、寒さ対策を万全にする
・足を東に向けて仰向けに寝転がり、できるだけ広く空を眺める
30分もすると目が暗闇に順応し、流星を見つけられるようになる。たとえ待つのに飽きても、スマートフォンをチェックするのは絶対に避けることだ。画面を見た瞬間に、せっかく夜空に慣れた目がリセットされてしまう。
夜空の次の見どころ
11月20日の新月を挟んで、月明かりのない暗い夜空が続く。おうし座、オリオン座、ふたご座といった冬の星座の明るい星々を見つける絶好のタイミングだ。惑星の眺めも見逃せない。
次の主要な流星群は、12月14日に極大となる「ふたご座流星群」である。条件が良ければ、1時間に最大150個もの流星が降り注ぐ。しし座流星群はまた来年の11月18日に見ごろを迎える。



