「不可視」の侵入者にどう対抗するか
サーマルクロスオーバーはウクライナ側に最も警戒されている時間帯でもある。また、サーマルポンチョは外部との温度差を小さくはしても完全に消すわけではない。熟練のドローン操縦士は、ポンチョに覆われていない足など、侵入者を示すサインを見抜く術を身につけている。さらに、安物のポンチョには遮熱効果が低いものもあり、着用してもサーマルイメージングカメラでその姿がかなりはっきり見えてしまうこともある。ロシア軍の訓練不足という問題もあり、ロシア兵らが白昼、ポンチョをまとって密かに前進しようとして捕捉された事例も知られている。彼らはどうやら、「透明化」が日中用のカメラにはまったく通用しないことを理解していなかったらしい。
❗️🇷🇺Russian military increasingly uses anti-drone thermal insulating poncho during the day. It doesn't help them much🤧 pic.twitter.com/CYoh5j3LmQ
— 🪖MilitaryNewsUA🇺🇦 (@front_ukrainian) August 13, 2025
それでも、総じて言えば、遮熱マントを使った浸透戦術はまずまず有効である。兵員不足のために、ウクライナ側の陣地には隙間が存在する。ロシア軍は少人数の部隊を前に進め、十分な兵力が集まった段階で防御線に強襲を仕掛けるというやり方で、ウクライナ軍を後退させようとしている。
こうした浸透攻撃に対する最良の防御は、地雷原を拡張することや、侵入者を探知するための音響、磁気、振動などのセンサーをさらに広範に設置すること、そして前線を保持する人間やロボットの戦力を増強することかもしれない。
いずれにせよ現状では、ロシア軍の突撃部隊にとって、装甲車両よりもサーマルポンチョのほうが効果的な防護手段になっている。


