アドバンスド・マイクロ・デバイセズ(AMD)の株価は米国時間11月12日に9%超上昇した。同社の収益が今後5年間で年間35%の成長を遂げる可能性があるとリサ・スーCEOは述べ、「新たな成長の時代」が到来すると予測したことがその背景にある。スーは、AMDがビジネスを展開するデータセンター向け半導体市場が将来的に1兆ドル(約154兆円。1ドル=154円換算)規模に達する可能性があると語った。
12日正午時点で、AMDの株価は9.5%高の約260ドルをつけた。前日の取引では2%下落していたが、これを大きく取り戻した形だ。
スーは11日、ニューヨークで開催された『フィナンシャル・アナリスト・デー』で、同社が展開するデータセンター向け半導体の市場市場が2030年までに1兆ドル(約154兆円)に達する可能性があると述べた。その主因は「飽くなき」AI半導体需要の拡大であり、今後3~5年におけるデータセンター市場において同社が「2桁台」のシェアを獲得できる可能性があるとした。
同時に、ジーン・フーCFOは、同期間における全体収益の年間成長率が約35%に達する可能性があり、EPS(1株あたり純利益)は20ドルに拡大するとの見通しを示した。
ゴールドマン・サックスのアナリストは、スーの示した成長見通しは「実現可能」と述べつつも、AMDが規模を拡大しつつコスト増を抑え、販売ごとの利益率を高めることが前提であると指摘した。
一方、バーンスタインのアナリストであるステイシー・ラスゴンは、AMDの目標について「やや強気すぎる」とし、AMDがより大きな市場シェアを獲得できるかどうかには懐疑的な見方を示した。「その結果はまだ分からないが、経営陣は明らかに積極的な姿勢で市場に臨んでいる」とコメントした。



