米金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が最近、会議中にiPadをチェックする人たちに「そんなものは閉じてしまえ」と言って非難したことが最近ネット上で話題になった。ダイモンのことを昔風の人と言う人もいれば、まったくもって正しいと言う人もいた。ダイモンのメッセージはiPadのことだけを言っているのではなかった。それは尊敬や注意、そしてマネジャーとリーダーを分けるものについてだった。
「マネジメント(管理)」ことと「リーダーシップ(統率力)」ことの違いは些細な瞬間に現れることが多い。会議ほどあなたの発言や振る舞いを部下が注視する場はない。何百人もの有能なリーダーを観察してきた結果、最も変化を起こす力を持つリーダーはあまり変わった会議を行わないことに筆者は気づいた。彼らは会議の焦点を業務の管理から周りを鼓舞するようなリーダーシップへと移す習慣を実践しているのだ。
そうしたリーダーが実践している7つの習慣を紹介しよう。
1. 会議に全神経を集中させる
ネット上で話題になったダイモンの指摘は敬意についてのものだった。ダイモンは「会議前に私は事前資料を読んできた。私はあなたに100%注意を向けている」と言った。マネジャーたちはプレゼン中にSlackをチェックする。リーダーはノートパソコンを閉じて相手の目をきちんと見る。
誰かが最新の情報を提供している最中にあなたがスマホに目をやると、それは他のことの方が重要だというメッセージを送ることになる。そして部下はそれに気づく。さらに悪いことに、部下はその行為を真似る。1人の幹部がメールをチェックすることで、他の全員が同じことをしてもいいことになる。解決策は簡単だ。端末をしまい、通知をオフにする。本当に緊急なことが割り込んできたら、部屋の外に出る。そうでなければ、目の前にいる人があなたのテキストメッセージよりも重要であることを振る舞いで証明するのだ。
試してほしいこと:次の会議では、スマホをバッグにしまうか、机の上に置いておく。自分がどれだけ多くのことを吸収し、またあなたが完全に会議に集中しているのを見たときに部下がどう反応するかに注目してほしい。
2. 答えを示すのではなく質問する
問題が起きたとき、すぐに解決したいという衝動に抗う。解決する代わりに、その人がすでに検討したことや、もし全権限を持っていたらどうするかを尋ねる。この習慣は、より良いアイデアを生み出し、問題解決を促す。
今度、会議で誰かがあなたに問題を持ちかけてきたら、返事をする前にひと呼吸おく。その時間を使って、答えではなく質問を考えよう。部下がすでに解決策を知っていることが多いことに驚くだろう。彼らはただ、それを実行に移す許可が必要なだけなのだ。
試してほしいこと:お気に入りの掘り下げた質問をリストアップしておく。次の3つから始めよう。
・どのような解決策をすでに検討したか
・成功とはどのようなものか
・何が最大の障害で、それを取り除く手助けができる人は誰か



