キャリア

2025.11.10 17:00

増加率は男性の2倍、「女性の起業」過去最高に 彼女たちが会社勤めをやめ挑戦する理由 米国

Shutterstock.com

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米国での2024年の起業は、2件に1件近くの割合で女性によるものだった。人事プラットフォームのGusto(ガスト)が今年実施した起業に関する調査によると、この割合は過去最高だという。加えて、女性が経営する企業の2019〜2023年の増加割合は男性経営の企業の約2倍だったことが、女性経営企業のインパクトについての米銀ウェルズ・ファーゴのレポートで示された。かつてなく多くの女性が会社勤めをやめて起業を追い求め、成功とはどのようなものかを独自に定めている。

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そうした女性の1人が、かつて企業の人事部門で働き、現在は移動用機器を多店舗で販売するNext Day Access(ネクスト・デイ・アクセス)の経営者、エイプリル・スプリンガーだ。拠点を置いているミネアポリスを含め3カ所で事業を展開し、ミネソタとピッツバーグの副社長も務めている。最初の店舗は初年度に100万ドル(約1億5000万円)超の収益を上げた。その後、複数の市場に進出し、今ではフランチャイズに携わる他の女性たちに助言している。

スプリンガーの歩みからは、何百万人もの女性が会社勤めより起業を選んでいる最大の理由についての洞察が得られる。

1. 個人の価値観が成功を決める

多くの女性にとって、従来型の会社での出世はもはや最高の成果を表すものではない。成功は極めて個人的なものとなり、外部からの期待よりも個人の価値観によって形作られるようになった。「女性は自分の言葉で成功を再定義していると思う。輝かしいキャリアや人生は画一的なものではない」とスプリンガーは説明する。

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このような変化は次のようなことに起因している。

・人生や仕事において何が本当に重要なのかについて、広く認識されるようになった

・会社の出世階段を登ることが、個人の目標に役立つという考えに対する懐疑的な見方が強まっている

・より大きな充実感を得るための道として、起業をますます意識するようになっている

専門家のアドバイス:キャリアを大きく転換をする前に、自分なりの成功の定義を具体的かつ簡潔な言葉で書き出してみよう。もしあなたが他人の成果を説明したり、曖昧な言葉を使ったりしているなら、まだ成功の定義ができていないことになる。自分の定義が明確であれば、自分がそれを実践しているかどうかがすぐにわかるはずだ。

2. 会社は柔軟性を提供しない

従来型の雇用モデルは、現代の暮らしに合わせて作られていない。これまでよりも多くの女性が家庭で負う責任や個人的な情熱、スケジュールを自分で組み立てることへの欲求など、変化する優先事項に適応できるキャリアを求めている。スプリンガーが説明するように、「従来の会社勤めの道は多くの女性が求めている柔軟性や充実感、創造性を必ずしも提供しない。起業で女性は自分の価値観や優先順位に沿った人生やキャリアを設計できるようになる」

柔軟性とは以下のことを意味する。

・いつ、どこで、どのように働くかをコントロールできる

・人生の変化にキャリアを適応させることができる

・自分らしくスマートに働く

専門家のアドバイス:自分のやる気と生産性のパターンを2週間記録する。もし現在の仕事の仕組みがあなたの自然なリズムや優先順位と60%以上合致しないのであれば、それは起業の方があなたに合っているかもしれないというサインだ。

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翻訳=溝口慈子

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