長距離フライト。その言葉を見聞きするだけで戦慄が走り、不快感や足の痙攣さえ誘発されそうだ。実際にはこれに加えて、耐え難いほど狭い空間に詰め込まれ、耐え難いほど長い時間を見知らぬ人々と接近した状態で過ごす、という試練にも見舞われる。
しかし、航空機が軽量化され、より多くの燃料を搭載できるようになり、燃料効率も上がるにつれて、長距離フライトの定義そのものがフライト時間とともに拡大している。もはや「超長距離フライト」と呼ぶべきかもしれない。
今や17時間を超えるフライトも珍しくはなくなった。快適な客室、質の高い機内食、時差ぼけ軽減効果のある照明などに誘われて、乗り継ぎの煩わしさやストレスと無縁の長距離便を選ぶ旅客も増えている。
そんな中、米ニューヨークと中国南部・福建省の省都福州を結ぶ国際路線が今年10月、新たに「世界最長商業路線」の茨の冠を被ることとなった。
世界最長の直行便
これまで世界最長だったシンガポール航空のニューヨーク-シンガポール線から王座を奪ったこの路線は、中国の厦門航空が運航する。航路の全長は約1万1389km、搭乗すれば約19時間20分の空の旅が待っている。就航後、給油のため成田空港(日本)への一時着陸が運航スケジュールに追加された。
ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港と福州長楽国際空港を週2便で結ぶこの路線は、2017年に初就航したのち2020年に運航中止となり、2024年に再開されたものだが、ロシア領空を回避するためフライト時間が延び、新たなフライト記録を打ち立てることとなった。近隣の台北や香港など、中国南方の地域へのフライトは、ロシア領空を回避せずに済めばニューヨークから約16~17時間といったところだ。
ところが、厦門航空の新記録すら霞ませる、正真正銘の世界最長直行便の就航計画が最近発表された。



