なにかとストレスを感じる日本社会。メンタルを病む人も多い。そこで厚生労働省は、労働者50人以上の事業所にストレスチェックの実施を義務づけている。ストレスチェック受験者には、もちろん外国人労働者も含まれるが、ストレスチェックサービスを提供するドクタートラストが同社のストレスチェックを受けた約56万人分の結果を解析したところ、日本人と外国人で大きな違いが表れた。
ドクタートラストのストレスチェックは、日本語のほかに、英語、中国語(簡体字)、ベトナム語、インドネシア語、ポルトガル語、ミャンマー語で受験できる。同社は、日本語で受験した人と外国語で受験した人のデータを解析したところ、外国語受験者は日本語受験者よりもストレスが低いことがわかった。

外国人は、低ストレス者と判断されるA判定の割合が21.1パーセント、高ストレス者とされるE判定は6.2パーセントだった。それに対して日本人は、A判定は9.4パーセント、E判定は13.6パーセントとストレス状況はかなり悪い。
ここでは便宜的に「日本人」、「外国人」と書くが、日本語で受験した外国人もいるので、これがすべての日本人と外国人の傾向ではないことに注意してほしい。

満足度が良好な事柄を10項目選ぶテストでは、両者に大きな違いは見られないものの、外国人にだけ「家庭生活に満足だ」という項目が入った。
外国人労働者は、ストレスをあまり感じず家族円満に暮らしているという、じつにうらやましい光景が想像されるが、満足度が不良な事柄を聞くと、職場では不満が多いようだ。

仕事の量や質に対する負担の大きさは両者に共通してあるうえで、外国人にのみ、上司が話を聞いてくれない、給与または待遇が働きに見合っていない、職場の変化に意見が活かされない、仕事が感情面で負担になる、職場の方針に意見が反映されないという5つの項目がランクインしていて、外国人差別的な待遇が示唆されている。
それでも、日本人だけが高ストレスになるのはなぜだろう。日本人特有の気質なのか。日本人よりも厳しい条件で働く外国人労働者たちの生活のしかたに学ぶべきことがありそうだ。



