イタリア・ミラノ拠点のBending Spoons(ベンディング・スプーンズ)が、評価額110億ドル(約1.7兆円。1ドル=153円換算)で7億1000万ドル(約1086億円)を調達した。同社は、アプリやウェブサイトの買収および再生に特化したスタートアップだ。今回の調達を受け、共同創業者兼CEOのルカ・フェラーリをはじめ、マッテオ・ダニエリ、ルカ・クエレッラ、フランチェスコ・パタルネッロの共同創業者計4人が揃ってビリオネアとなった。
約153万円の投資から始めた、共同創業者4人がビリオネアに
ルカ・フェラーリは、2014年に最初の投資先、キーボードのカスタマイズアプリを買収した。彼は、マッテオ・ダニエリ、ルカ・クエレッラ、フランチェスコ・パタルネッロの3人とともに、1万ドル(約153万円)で買い取ったこのアプリの立て直しを図った。それから約10年を経てテック業界屈指のディールメーカーとなったフェラーリは、同社の評価額が110億ドル(約1.7兆円)に達したことでビリオネアの仲間入りを果たした。
Bending Spoonsという社名は、映画『マトリックス』の主人公がスプーンを曲げるシーンにちなんで名付けられた。フォーブスは、イタリアの商業登記所の開示データに基づいてフェラーリの持ち分の価値が14億ドル(約2142億円)、他の3人の共同創業者の持ち分がそれぞれ13億ドル(約1989億円)に達したと見積もっている。
T・ロウ・プライスが主導、大型資金調達を実施
Bending Spoonsは10月30日、2億7000万ドル(約413億円)を調達したと発表した。この調達ラウンドは、T・ロウ・プライスが主導し、既存投資家のベイリー・ギフォード、コックス・エンタープライズ、デュラブル・キャピタル・パートナーズ、フィデリティなどが参加した。同社はまた、既存株主による4億4000万ドル(約673億円)のセカンダリー取引を実施したとしているが、創業者がこの取引で株を売却したかどうかは不明だ。
Bending Spoonsは創業者の持ち分についてのコメントを控えたが、今回の資金調達は「今後の買収や自社の技術・AI開発への投資に充てる」との声明を発表した。
VimeoやAOLを相次ぎ買収、売上高は約1836億円の見通し
同社の評価額は、前回2024年の調達ラウンドで28億ドル(約4284億円)とされていた。その後、動画ホスティングツールのBrightcove(ブライトコーブ)やフィットネスアプリのKomoot(コモート)の買収。ナスダックに上場していた動画プラットフォームVimeo(ヴィメオ)を13億8000万ドル(約2111億円)で買収し、非公開化した取引を経て評価額を急騰させた。
米国時間10月29日、同社は過去最大の取引として、インターネットの草分け的存在の米AOLをアポロ・グローバル・マネジメントから買収すると発表した。取引条件は非公開だが、Bending Spoonsはこの買収および将来の投資案件向けに28億ドル(約4284億円)の借入を実施したことも明らかにした。フェラーリCEOはフォーブスに対し、「今年の売上高は12億ドル(約1836億円)に達する見通しだ」と語っている。



