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2025.11.09 08:00

「仕事でやる気が出ない」あなたへ──意欲を取り戻すために試したい5つの対策 

Shutterstock.com

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仕事に行っても関心が持てず、やる気も起きず、心が疲弊している感覚に襲われることはないだろうか。それは、あなただけではない。現代のプロフェッショナルの多くが、仕事に対する満足感や意欲の低下、燃え尽きを経験している。多くの場合は、刺激を得られない役割に縛られているように感じてしまうせいだ。

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離職したい気持ちはあっても、厳しい雇用市場やレイオフ、先行きの不透明さから、身動きの取れない不安に陥ってしまう。満たされない恋愛を経験したことがあるなら、まさにそれと同じ感覚だ。その状況が平気なわけではないし、打開したくないわけでもない。ただ疲れ果て、負担に押しつぶされ、自分がまだそこにいる理由がわからなくなっている。ここまで意欲が低下している状態では、ベストな自分を発揮することは本当に難しい。

筆者が最近、ある大学のために、エンゲージメントに関する自己省察の大規模調査を実施したところ、参加者たちに同様の傾向がみられた。エンゲージメントの高い人々に共通していたのは次の3点、「自分の仕事が、全体の仕事にどのように貢献しているかを理解している」「自分の努力が認められていると感じている」、そして「支援の体制があると感じている」だ。一方、エンゲージメントが低い人々は、他のグループやチームメンバーとのつながりを感じられず、先が見通せず、不明確で一貫性のない状況に置かれていると感じていた。

後者に共感を覚える人たちに伝えたいのは、自分がそれに対して何もできないように思えても、何かできることは必ずある、ということだ。以下では、自分でコントロールできることの例を示していこう。

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1. 一歩引いて振り返る:問題は仕事か、それとも自分自身か

まずは、日々の現実を見直そう。どのような時にエネルギーが湧き、あるいは消耗するのだろうか。業務量に圧倒されているのか、期待されていることが不明確なのか、それとも人間関係の摩擦なのか。組織が目指すものについていけなくなっているのか、それとも、単に役割が自分に合わなくなっているだけなのか。

意欲の喪失は時として、努力不足ではなく、不一致から来る。その場合、解決策は「もっと頑張る」ではない。「自分にとって重要なことをもっと頑張る」が正解だ。

こんなふうに自問してみよう。「転職しても、今と同じ感覚が続くだろうか」。答えがイエスなら、問題は自分の内面にあるのかもしれない。燃え尽きや完璧主義が原因かもしれない。あるいは、自分の目的を再確認する必要に迫られている可能性もある。

2. エンゲージメントにおける「生きがい」を再確認する

筆者の研究とコーチングの経験から言えば、人々のエンゲージメントが最も高まるのは、日々の業務が次の5つの要素と一致している場合だ。

・手に負える:仕事量と期待値が現実的である
・情熱を傾けられる:自分の興味や価値観と合致している
・得意である:生まれ持った強みを発揮できる
・必要とされている:自分の仕事が、目に見える価値を他者にもたらしている
・リーダーが認めてくれる:自分の貢献が認知され、評価されている

この5つの条件が重なる領域に、あなたの「エンゲージメントにおける生きがい」が存在する。これは、筆者が「生きがい」という日本の考え方を応用した概念であり、「自分が好きなこと」「自分が得意なこと」「世の中が必要とすること」「報酬を得られること」が重なっている部分を表す。エンゲージメントにおける生きがいでは、日々の仕事が、意味、能力、評価と合致するかということに焦点を当てる。

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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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