3. エンゲージメントを自ら高める
意欲が低下しているからといって、必ずしも退職すべきというわけではない。「キャリアを自らコントロールすることができるか」が問題となっている場合がある。
・「4D」の手法で、業務負荷をシンプルにする。ToDoリストを見直し、タスクを次のいずれかに分類しよう。「Do Now:今すぐやる」(重要かつ緊急性の高いタスク)、「Do Later:後でやる」(重要だが後回し可能)、「Delegate:委託する」(他の誰かが対応可能/自分の得意分野でない/自分の業務の範囲外)、「Delete:削除する」(現時点で重要でない/緊急性が低い/やらなくても問題ない)。
・同僚と、日常的にちょっとしたコミュニケーションをとる時間を持ち、信頼関係を再構築する。
・自分の目標と、最高の仕事をするために必要な支援について、上司と話し合う。
・集中力とウェルビーイングを維持するため、明確な境界線を設定する。
・自分の強みを再定義する:自分の強みは、現在の仕事でどう発揮されているか、それ以外にどう活用したいか。自分のベストなスキルは現在の役割の中ではっきりと示されているか、それとも、十分には活用されていないか。
4. 社外に目を向ける前に、社内での解決策を探る
転職を考える前に、現在の自社内に目を向けよう。自分のスキルや価値観にもっと合致する、別のチームやプロジェクトに移れないだろうか。好奇心に再び火をつけるような、新たな取り組みを提案できないか。自分の進むべき方向性を明確にするため、メンターやコーチングに頼れないか。
率直に振り返った結果として、自分のパーパス(人生における長期的目標)が会社の方向性と合わなくなったと感じるなら、新たな機会を検討する時かもしれない。
自分にぴったり合うものが常に見つかるとは限らないが、それでも、完全に転職する前に、他の役割を試してみることができる。そうするなかで、「長期的な意味で自分が望むものと望まないもの」に関する理解を深めることができる。
5. 理想の仕事を改めてイメージする
自分にとって理想的な仕事と日々の業務を想像してみよう。理想のチームメンバー、上司(自身がCEOを目指すのならば、それもまたOK)、関与するプロジェクト、周囲の環境など、あらゆる要素について考えてみるのだ。それは、現在の仕事に似ているだろうか、それとも全く異なるだろうか。両者の差は何だろうか。うまくいっている点と、そうでない点は何か。
時として、無気力と充実感の差を埋める方法は、新しい会社に移ることではなく、現在の業務をどうすれば自分の理想に近づけられるか、検討しなおすことだ。
意欲の喪失は、失敗の証ではない。あなたが変化を求めていることを知らせるシグナルだ。それは自分の強み、パーパス、ともに働く人々について軌道修正することを促す。現在の業務について考え直すにせよ、新たな方向へ進むにせよ、重要なのは、意欲を取り戻す作業を自らが指揮することだ。


