「時短」と「ストレス軽減」。配達員約9割が実感する置き配の効用

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EC市場の拡大に伴い、宅配便の取り扱い個数は増加の一途をたどり、物流業界は慢性的な人手不足と「再配達問題」という深刻な課題に直面している。特に、ラストワンマイルを担う配達員の業務負担軽減は喫緊のテーマだ。こうした状況下で、利用者の利便性向上と配達員の負担軽減を両立させる手段として「置き配」の普及が加速している。

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ライナフが全国の軽貨物ドライバーを対象に実施した「置き配に関する意識調査」は、置き配が配達現場にもたらすメリットは極めて大きいことを明らかにしている。

まず、置き配の普及状況について、回答者の過半数が「日常的に半分以上を置き配で対応している」と回答しており、すでに現場で一般的な配達手段として定着しつつある。

置き配を活用することの効率性について、1日に「1時間以上の時間短縮」が44.7%、「1日の配達時間が30分~1時間未満短縮できている」が44.0%と回答しており、配達員の約9割がかなりの時短を感じていることがわかる。

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置き配の指定が増えることのメリットとしては、「再配達が減る」がもっとも多く「対面時間が不要になり時間短縮になる」「自分自身のストレスが減る」と続いた。再配達に伴う時間調整や顧客対応のストレスが減ることは、配達現場の労働環境改善に直結する。こうした負担軽減や環境改善は、配達員がその職場で長く働き続けるための動機となり、人材の確保と定着にもつながる可能性があることを示唆している。

現場の配達員は、置き配を業務効率化の生命線と捉えており、9割以上が「置き配がより広く普及するべきだと思う」と考えている。

置き配は、人手不足と再配達問題という物流業界の二大課題を解決し、持続可能な配送システムを構築するための重要な鍵となる。とはいえ、置き配の普及には盗難や汚損といったトラブルリスクの解消が不可欠だ。そのためユーザー側も宅配ボックスや防犯カメラの設置などトラブル対策を講じる必要があるかもしれない。今後は、技術的な進化と利用者側の協力により、トラブルリスクを最小化し、この効率的な配送方法を社会全体で推進していくべきだと言えよう。

出典:株式会社ライナフ「置き配に関する意識調査」より

文=飯島範久

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