GitHub共同創業者トム・プレストンワーナー、約308万円を寄付
マムダニを支援するもう1人のビリオネアは、GitHub(ギットハブ)の共同創業者トム・プレストン・ワーナー(45)だ。彼は4月に2万ドル(約308万円)をマムダニ陣営を支援する「ニューヨーカーズ・フォー・ローアー・コスト」に寄付した。サンフランシスコ・ベイエリア在住のプレストン・ワーナーは、2008年にソフトウェア開発プラットフォームのGitHubを立ち上げ、2018年にマイクロソフトに同社を75億ドル(約1.2兆円)で売却したことでビリオネアとなった。現在の推定資産が約10億ドル(約1540億円)の彼は、ベンチャーキャピタル「プレストン・ワーナー・ベンチャーズ」を率いている。
夫妻の連邦献金は約3億1000万円、慈善拠出も拡大
プレストン・ワーナーの政治への関与は、エリザベス・シモンズよりも控えめだ。米連邦選挙委員会(FEC)の記録をフォーブスが分析したところ、彼と妻のテレサは2019年以降、連邦レベルの選挙に約200万ドル(約3億1000万円)を献金していた。シモンズと同様に「ギビング・プレッジ」に署名しているプレストン・ワーナーは、2020年には新型コロナウイルス対策に100万ドル(約1億5000万円)、人種正義の取り組みに25万ドル(約3900万円)を寄付したことをブログで明かしていた。税務記録の分析によれば、夫妻が設立した財団は2019年以降に総額2800万ドル(約43億円)を拠出している。なお、シモンズとプレストン・ワーナーは、いずれもフォーブスのコメント要請に応じなかった。
2人のビリオネアによる寄付は資金の約1割、反対派の大物と対峙
この2人のビリオネアによる寄付は、「ニューヨーカーズ・フォー・ローアー・コスト」が受け取った資金の約1割を占めている。また、彼らはマムダニの当選阻止を狙うビリオネアの一群──マイケル・ブルームバーグやリード・ヘイスティングス、ジョー・ゲビアやスティーブ・ウィン――と対立する構図になっている。
マムダニを支援する著名人
シモンズとプレストン・ワーナーはマムダニを支援する唯一のビリオネアだが、彼のもとにはほかにも著名な支援者が集まっている。その一例が、家計簿アプリで知られるロケットマネーの共同創業者の兄弟、ハルーン・モクタルザダとイドリス・モクタルザダだ。ハルーンは9万9000ドル(約1500万円)、イドリスは9万ドル(約1400万円)を寄付している。
ビリオネアのテッド・ターナーの元妻としても知られる俳優ジェーン・フォンダも1000ドル(約15万円)を寄付したほか、2018年にアンドリュー・クオモとニューヨーク州知事選で争った俳優シンシア・ニクソンも5000ドル(約77万円)を寄付している。
直接寄付はクオモ優勢、「マッチングファンド制度」による上乗せで差を縮小
一方、個人が直接候補者に寄付できる上限額の2100ドル(約32万円)の範囲内で見ると、マムダニ陣営の調達額はクオモ陣営を下回っており、マムダニが400万ドル(約6億2000万円)に対し、クオモは590万ドル(約9億1000万円)を集めている。しかし、少額寄付を多く集めた候補に対して公費を上乗せ支給するニューヨーク市の「マッチングファンド制度」のおかげでマムダニはその差を埋めている。
小口寄付が最多、平均約1万5000円で4万人超が参加
マムダニの選挙キャンペーンに寄付した4万人以上の支援者の平均寄付額は98ドル(約1万5000円)と、すべての候補の中で最も低い。一方、クオモの陣営の約1万人の支援者の平均寄付額は593ドル(約9万1000円)と、2番目に高い水準だ。


