2025.11.02 12:00

2025年版「世界で最も豊かな国」ベスト50 1位は米国、日本は3位に

米国 アリゾナ州、ホースシューベンド(Shutterstock.com)

4. 英国

総資産:18兆560億ドル(約2781兆4000億円)

ロンドン、タワーブリッジ(Shutterstock.com)
ロンドン、タワーブリッジ(Shutterstock.com)

英国はその歴史を、仕立ての良いコートのようにまとっている。ロンドンのスカイラインは、ゴシック様式の装飾的な尖塔と、きらきら光るガラスばりのタワーを縫いとめている。パブの笑い声が、数世紀の歴史をもつ小路に溢れ出る。

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スコットランドは美しくたたずみ、霧に沈む湖と吹きさらしの荒野に、伝説と伝承がこだまする。廃墟と化した修道院の下では、アカシカ(red deer)が草をはみ、石造りの小屋のなかではウイスキーが冷たい手をあたためる。

スレート(粘板岩)の産地としても有名なウェールズでは、魂の歌が響く。谷間にはもこもこした羊が散らばり、教会の扉からは、男声合唱団の弾むような調べが流れてくる。

5. ドイツ

総資産:17兆6950億ドル(約2725兆8000億円)

オクトーバーフェストを楽しむ人々(Shutterstock.com)
オクトーバーフェストを楽しむ人々(Shutterstock.com)

ドイツは、静かなる回復と復活の土地だ。ベルリンはむき出しの創造性にあふれており、グラフィティ(スプレー缶を使った落書き)や、前衛芸術のギャラリー、重低音のアンダーグラウンドのビートで活気づいている。

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世界に知られるライン川は、極上のブドウ園と、魔法に満ちたおとぎ話から出てきたかのような村々のあいだを流れ下る。一方、バイエルンの雪を頂く峰は、煙突から煙が立ちのぼる羊飼いの山小屋をふところに抱き、プレッツェルを出すビアガーデンを、スキーヤーたちが騒々しく通り過ぎる。

ハンブルクの港はクレーンや貨物船でにぎわい、北海でとれたばかりのニシンのにおいがたちこめる。秋が来ると森林は紅葉で金色に燃え上がり、ビールジョッキが元気いっぱいの音を鳴らす――昔ながらの伝統の乾杯だ。

6. インド

総資産:16兆80億ドル(約2465兆9000億円)

タージ・マハル(Shutterstock.com)
タージ・マハル(Shutterstock.com)

インドは、単に発展しているだけではない――万華鏡のような色、音、精神をほとばしらせている。崩れ落ちそうなムガル帝国の城塞のまわりをデリーのカオスが舞い、人力車が警笛を鳴らし、スパイスたっぷりのバザールが、ターメリックやカルダモンをあふれさせる。

その一方で、ムンバイはきらびやかなボリウッドの色彩の夢を見る。そこでは、ネオンで飾られたビルボードの下で、露天商がワダ・パーヴ(インド風コロッケパン)を売っている。

雪をまとって堂々とそびえるヒマラヤ山脈では、ヤクの踏み分け道で祈祷旗がはためき、石造りの僧院が点在する。南部のケララでは、ココヤシと、織物の天蓋つきのハウスボートを背景にして、エメラルド色の入江が広がる。

北西部のラジャスタン州へ行けば、砂岩の宮殿と鏡の間が、王者の風格で光輝いている。あるいは、ヒンドゥー教の聖地であるヴァラナシへと足をのばしてもいい。ガンジス川では、揺らめく灯明皿と並んで、マリーゴールドの花輪が浮かんでいる。

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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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