高校卒業後は経済・心理的な安定を得るために4年制の大学に進学して学位を取得するよう長らく奨励されてきた。だが潮目は変わりつつある。高収入を得られる仕事に大学の学位はもはや必要ないと言うビジネスリーダーが増えている。需要が急増しているブルーカラーの仕事の給与が高額になっており、この新たなトレンドは大卒であることが10万ドル(約1500万円)以上の給与を得る唯一の道だという長年の考えに反する。
高学歴が高収入への唯一の道ではない
筆者は昨年、「ニューカラーワーカー」について書いた。高学歴であることを重視せず、専門学校などを出た熟練した労働者に熱視線が注がれているという、雇用における新カテゴリーだ。今、ホワイトカラーからブルーカラーの仕事に転職する人が増えている。ブルーカラー職の方が昇進や昇給が得られるからだ。
グーグルで「ブルーカラーの仕事」を検索すると、「ブルーカラーの労働者募集中 」「ブルーカラー職、即採用」「急募」など、切羽詰まった感じがする広告を目にするだろう。ブルーカラー職の需要が高いことはロケット科学者でなくてもわかる。米労働統計局は2020〜2030年に新規雇用の60%(中には10万ドル以上の収入が得られるものもある)が大学の学位を必要としない職種になると予測している。
需要の急増が見込まれる仕事の35%はブルーカラーで、2032年までに170万人分の雇用が創出されると見込まれている。履歴書作成プラットフォームを運営するResume Genius(レジュメ・ジーニアス)のキャリア専門家ネイサン・ソトによると、10万ドル以上の給与を得る道は思っている以上に身近なものだという。ブルーカラーの労働者の給与は現在、従来のホワイトカラーの労働者のものに匹敵し、場合によっては上回っている。
Resume Geniusはこのほど、レポート「最も給与の高いブルーカラー職(2025年版)」を発表した。ブルーカラー職とはスキルを必要とする肉体労働のことで、通常は見習い期間や実地訓練を通じて学ぶ。例えば、建設業、エネルギー産業、製造業、運輸業などだ。
同レポートでは労働統計局のデータを基に、年収の中央値が米国平均の4万8060ドル(約700円)を上回るブルーカラー職を選んでいる。さらに、2024〜2034年に需要が増すと予測される職種の中から必要とされる学歴が高卒かそれに相当するものである職種に絞り込んでいる。
収入の多いブルーカラー職のトップ10は以下の通りだ。上位10%の給与、その職種の年収と時給の中央値、求人数、2024〜2034年の推定求人成長率、必要な学歴も併せて紹介する。



