最新の世論調査によると、米国では多くの人が「リーダーを尊敬できない」「信頼できない」「他者への思いやりがない」と感じており、リーダーへの不信感がかつてなく高まっている。しかしそんな現代にあっても、あなたが尊敬され、信頼されるリーダーになることは可能だ。「リーダーシップの劣化」が叫ばれる今だからこそ、あなたがリーダーとしてのスキルを身につけ、信頼を失ったリーダーたちに代わってチームを力強く引っ張っていくのだ。
ザ・ハリス・ポール(The Harris Poll)とUSニューズ&ワールド・レポート誌(US News & World Reports)の共同調査によると、現在、実に72%もの人が今、「リーダーシップ・クライシス(リーダーへの失望やリーダーの不在)」を感じているという。しかし、そんな世論とは裏腹に、リーダーシップの重要性はむしろ高まっている。
社会の分断が進み、不安定さと不確実性、複雑性が増し、変化の激しい現代だからこそ、ここで紹介する4つの行動を実践することで、あなたが人々に安心と希望をもたらすリーダーになれる。
「慕われるリーダー」がとっている4つの行動
ここではあなた自身を、そして組織をより良い方向へ導く4つの行動指針を紹介しよう。
1. 安定性と明確さを提供する
多くの人が時代の変化についていけていないと感じている今、信頼されるリーダーが提供すべきは、安定性と明確さだ。
グローブスキャン(GlobeScan)が31の国・地域の約3万人を対象に行った調査によると、78%の人々が「世のなかの変化が速過ぎてついていけない」と回答している。多くの人が今、世界各地で複数の危機が同時に起こり、連鎖的に影響し合う「ポリクライシス(複合危機)」に圧倒され、強い不安を感じているという。
そんな現代のリーダーに求められているのは、「適切なタイミングでの明確なコミュニケーション」だ。何が起こっているのか、それが組織や各自の役割にどう関わるのかを皆にわかりやすく伝えよう。その際は約束や予測はせず、把握している情報だけを共有する。確実性は提供できなくても、明確さは提供できるはずだ。
また、こういった情報は定期的に共有する。組織としてどの方向に進んでいるのか、何に取り組んでいるのか、今後どのような挑戦を視野に入れているのか、それによって何が変わり、何が変わらないのかも伝える。
冷静に状況を見つめつつ、誠実さを貫こう。未来を見据え、着実に前へ進む行動力と、前向きに粘り強く挑む姿勢をあわせ持つことも重要だ。
これらを常に落ち着いた態度で行うことで、部下に安心感を与えられる。現状と今後の見通しを明確に伝えることもやはり、「可能な限り理解している」ことによる安心感につながる。



