2025.10.30 17:00

五感を刺激する絶景、美食──旅の専門家が厳選「今訪れるべき世界の国と地域」ベスト10

ジンバブエ、ヴィクトリア滝(Shutterstock.com)

ジンバブエ、ヴィクトリア滝(Shutterstock.com)

轟音が響くアフリカの峡谷から、霧に包まれた東アジアの寺院まで、世界大手の旅行比較サイトKayak(カヤック)が選んだ、今後訪れるべき世界の国と地域10選を紹介しよう。

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太古の石造都市がそびえる黄金色の平原から、悠久の時を経て氷河が形づくった苔むしたフィヨルドまで、感覚を濃密に刺激するさまざまな場所が、旅人たちの注目を浴びている。

轟音が響くジンバブエの滝、夏至の光に満ちたリトアニアの野原、密林を縫って走るスリランカの鉄道。韓国のような趣深い国で、寺院が点在する森や、火山島のトレイルを歩きながら、静かに内省に浸るのもいい。モロッコの幻想的な砂漠や、ノルウェーのきらめく滝や氷河も魅力的だ。

皆さんの「次の旅行先」を決める助けになれるよう、筆者はカヤックの専門家に取材し、今後訪れるべき10の国と地域を選出した。選出基準の一部は、カヤックの「トラベル・チェックイン」リポートの考察に基づいている。また、ウェルネスを意識した旅行や、都市めぐり、ゆったりとした「スロー・トラベル」のような要素についても考慮に入れた。

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オーロラを目撃したい人も、知られざる宝石のようなモルドバのブドウ園でヴィンテージワインを味わいたい人も、「長く曲がりくねった道」の先に待つものを楽しんでほしい。

1. ジンバブエ

ジンバブエ(アフリカ)は、険しくワイルドな景観と、古代から連綿と受け継がれる遺産が、モザイクのように入り組んだ国だ。まぶしい日差しを浴びた黄金色の平原に、急峻な花崗岩露頭が屹立し、さざめくアカシアの木立の上に、空がどこまでも広がっている。

グレート・ジンバブエ遺跡と呼ばれる古代の石造都市は、この国の重層的な過去を雄弁に語り、乾いた石積の壁には数千年の歴史が刻まれている。ヴィクトリア滝では、ザンベジ川が轟音を響かせながら眼下の峡谷へと流れ落ち、立ち上る水煙が、陽光を受けてつかの間の虹をつくりだす。一方、東部の高原地帯では、雲に包まれた斜面、曲がりくねった登山道、霧が立ち込める山々の静寂といった、静謐な景色に浸ることができる。

選定理由:カヤックのサイトでは、ブラワヨなどのジンバブエの都市への航空券の検索数が80%以上増加しており、首都ハラレの航空券検索数も、2025年夏には56%の増加が見られた。

2. リトアニア

ビリニュスの旧市街(Shutterstock.com)
ビリニュスの旧市街(Shutterstock.com)

いくつもの湖がひそむ古代の森に囲まれたリトアニアは、豊かな歴史を積み重ねてきた国だ。石畳の街路や、古びた農家の窓に、伝統が刻まれている。

田園風景では、夏至の光が穏やかに降り注ぐ。野花が咲き誇る農地には、傾いた木の十字架が立ち、すすけた煙突のてっぺんには、脚の長いコウノトリがとまっている。首都ビリニュスでは、曲がりくねった中世の街路が、ツタに覆われた中庭へと続いている。教会はバロック様式だが、派手さはない。

バルト海沿岸に黄金色のリボンのように細く伸びるクルシュー砂州では、気だるい風に乗って、松の木々のささやきが海を渡る。港湾都市クライペダは、規則正しく行き交う連絡船で活気づき、バルト海でとれたニシンの燻製の香りに満ちている。

選定理由:カヤックのサイトでは、バルト海に面した首都ビリニュスへの航空券検索数が、2024年夏と比べて2倍以上に増加(+105%)。

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翻訳=的場知之/ガリレオ

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