3. スリランカ

スリランカの景観は、コントラストと静謐な深みに満ちている。ヤシの木が揺れる海岸のすぐそばに、鬱蒼としたエメラルドグリーンの熱帯雨林が広がり、密林の切れ目に古代都市が鎮座する。平原を見下ろすシーギリヤの巨岩要塞では、フレスコ壁画と、水を湛えたシンメトリーな庭園から、はるか昔に滅びた王国が偲ばれる。
霧に包まれた中央高地では、整然と緑の列をなした茶畑が、さざ波のように緩斜面を覆う。ひんやりした霧が、ユーカリの木立を抜け、銀色のリボンのように蛇行しつつ伸びる線路を包み込む。
南部沿岸では、リズムはもっと穏やかだ。漁師たちは、浅瀬に立てた支柱の上でバランスをとり、植民地時代の砦が、活気に満ちた港を見守る。内陸では、アヌラーダプラとポロンナルワの聖なる遺跡が、数千年にわたる仏教信仰の歴史を物語る。古代の石のストゥーパと精緻な彫刻が施されたムーンストーン(半円形の石板)は、歳月に磨きあげられて滑らかだ。
選定理由:同国最大の都市コロンボは、今夏カヤックで最も航空券検索数が多かった都市トップ10にランクイン。
4. 韓国

韓国は、移ろう季節のなかで静かな魅力を語りかける。曲がりくねった登山道は松林を縫って続き、霧がたちこめる緑豊かな谷に、寺の鐘の音が響き渡る。
首都ソウルでは、拡大するコンクリートの街並みに、李氏朝鮮時代の余韻が肩を並べ、居心地のいいカフェの裏には、伝統的な韓屋の中庭が残る。一方、智異山や雪岳山といった南部の山々は、夜明けに濃霧に包まれ、険しい尾根が見え隠れする。
慶州では、なだらかな丘と開けた野原のなかに、古代の石造建築の遺構と古墳が静かに佇む。済州島まで足を伸ばせば、切り立った黒い崖と、火山岩に刻まれた静かな登山道が待っている。
選定理由:ソウル行き航空券の検索数は、2025年にカヤックで65%増加。
5. アルゼンチン

アルゼンチンは、鮮烈なコントラストで旅行者を圧倒する。日差しの照りつける平原では、果てしないコバルト色の空の下、孤独なガウチョ(南米のカウボーイ)が馬に乗って駆け、雪を頂くパタゴニアの険しい尾根には酷寒の風が吹きすさぶ。
首都のブエノスアイレスには、年季の入ったタンゴ・バーや埃っぽい書店、ツタに覆われたバルコニーつきの庭園が並び、テラコッタの屋上では、洗濯物が旗のように揺れる。はるか南ではエル・チャルテンの花崗岩の峰々が、雲の切れ目にちらりと顔をのぞかせる。ターコイズブルーの氷河湖を結ぶ曲がりくねったトレイルは、静寂に包まれている。
コルドバでは、コロニアル様式の教会が、暖色の砂岩でできた広場に長い影を落とす。メンドーサでは、アンデス山脈の澄んだ雪解け水の恵みを受け、広大なぶどう園が、午後の傾く日差しのなかで黄金色に輝く。
選定理由:ブエノスアイレス行き航空券の検索数は、2025年にカヤックで49%増加。


