経済・社会

2025.10.27 15:15

社会イノベーションの最先端の教養 第二回・NPOの「エンドゲーム」が面白い理由

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4.オープンソース化:知恵を「ひろげる」

NPOはきっかけをつくって、あとは知恵を広げてみんなにアクションしてもらうきっかけになる方法もあります。

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NPOがとる戦略の中で「コピー・ライト(著作権)」の真逆の「コピー・レフト 」のアプローチがあります。社会課題解決の新しいアイデアや経験をどんどんシェアしてしまう。そこから誰かが行動してくれれば、社会はどんどんよくなる。今、こうした社会イノベーションの「知の構造化」という取り組みも世界的に進んでいます。

5. 継続化:続けることで「希望になる」

すぐには解決できない課題もある。だからこそ、信頼と誇りをもって“続ける”ことも立派な選択肢です。当面、継続することこそに価値があるとするエンドゲーム。

世界の医療問題解決に貢献する国境なき医師団(MSF)のように、どこかの国で状況が改善しても、他の国で感染症や医療危機が生まれたときにすぐ対応しないといけない。あしなが育英会は、交通事故などで親を失う遺児が生まれることがある限り活動を続ける必要がある。最終的なゴールは「問題がなくなること」だけど、どうしてもゼロにならない問題っていうのもあります。そういう活動を支えているのは、多くの継続的な寄付者(マンスリーサポーター)だったりするのです。

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6. ミッション達成:終わったから「次にいく」

本当に課題が解決され、組織が次のステージに移行するNPOも存在します。これは「解散」となることもありますが、折角得た成功体験やつながりを活かして、シリアル・アントレプレナーのように次の社会問題解決への旅をはじめるということもあります。

NPO法人かものはしプロジェクトは、カンボジアの児童買春の解決のために立ち上りましたが、その問題が解決に向かったこともあって、そのあとインドや日本での課題解決にシフトした活動を展開しています。ビルゲイツ・メリンダ財団のようにポリオの撲滅を明確な目標にして取り組んでいる事例もあります。

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文=鵜尾 雅隆(スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー・ジャパン編集長)

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