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2025.10.28 18:00

「恐れを原動力」として生かす成功者の思考習慣、心理学者が解説

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2. 「集中には恐れ」を「奮起には希望」を活用する

専門誌『Behavioral Sciences(ビヘイビオラル・サイエンシーズ)』に2023年に掲載された研究では、恐怖に突き動かされた行動がコントロールされない場合、自制心を損なう侵入思考に陥る可能性があることが示されている。だが恐怖を意図的にとらえ直して自己管理戦略に組み込めば、注意力や努力、目標達成に向けた取り組みを強化できる。

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専門誌『Acta Psychologica(アクタ・サイコロジカ)』に2024年に掲載された別の研究でも、適度な恐怖や覚醒は警戒心や覚悟を促し、結果としてパフォーマンスを向上させると指摘されている。この研究結果は多少のストレスがあると、やる気と集中力が高まるという、心理学者ロバート・ヤーキーズとジョン・ディリンガム・ドッドソンにより発見された「ヤーキーズ・ドッドソンの法則」に合致する。

研究者たちはまた、自己効力感、つまり結果を管理する自分の能力に対する信念が、恐怖心から身動きが取れなくなるのか、それとも生産的な結果につながるのかを決めるとも述べている。希望や知覚されたコントロールの感覚と組み合わさることで、恐怖は脅威から備えのシグナルへと変化する。この恐怖と希望のバランスが「適応的動機付け」、つまり楽観主義があなたを前進させる一方で、警戒心により地に足のついた状態でいられる。

言い換えると、悪い結果を恐れることで非生産的な習慣に陥らないよう、規律正しく注意深くいられる。一方、希望と向上心を持つとやる気が保たれる。こうしたことから、悪いもの、あるいは非生産的だとわかっている習慣に走っている自分に気づいたら、立ち止まって「今後10年間、毎日この習慣を続けたらどうなるだろうか」と自問するといい。そうすれば、やがて即座の満足感を得ようとする衝動に抗うことができるようになるだろう。

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悪い習慣の身体的、感情的、人間関係的な結末を思い描くと後悔を予想でき、変化への強力な動機づけとなる。罪悪感ではなく、自覚が大切だ。未来を恐れる必要はなく、現在においてより知的な決断を下せるよう恐れを鏡として使うといい。

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翻訳=溝口慈子

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