モビリティ

2025.10.25 16:00

eVTOLのアーチャー、2026年FIFAワールドカップと第61回スーパーボウルを支援

ドバイ世界貿易センターで開催された世界有数の技術・人工知能イベント「GITEX Global」に展示されたアーチャーの航空機『ミッドナイト』Photo by Rabia Aydogdu/Anadolu via Getty Images

「ミッドナイト」は垂直離着陸が可能で、水平飛行で最高時速約241キロ

アーチャーの「ミッドナイト」は、操縦士1人と乗客4人、機内持ち込みサイズの荷物を乗せて最高時速150マイル(約241キロ)で飛行できる。この電動航空機は垂直に離着陸し、水平方向には固定翼機のように飛行する設計となっている。地理的には近距離でも、道路の渋滞によって移動に時間がかかる区間で、所要時間を大幅に短縮することを狙っている。

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トランプによる大統領令で商業化を促進

アーチャーをはじめとするこの分野の企業は、トランプ大統領が6月6日に署名した、大統領令による後押しを受けている。この大統領令は、eVTOLやドローンの商業化を加速させることを求める内容で、「eVTOLのような新興技術は、貨物輸送、旅客輸送、その他の先進的な空の移動手段を近代化する可能性を秘めている」と明記されている。

ゴールドスタインCEOによれば、この動きは実際にはバイデン政権時代にすでに始まっており、当時、米連邦航空局(FAA)がeVTOLを含む「パワードリフト(powered lift)」と呼ばれる新たなカテゴリを設けたことがきっかけになったという。

「だからこそ、今回の大統領令が出たとき、政府がこの分野に注力するという明確なメッセージだと受け止めた。私たちは、この取り組みを最優先で進めていく必要があると考えている」と、ゴールドスタインは7月のインタビューで述べていた。

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新株発行で資金を調達、財務基盤の強化とともに他事業分野を拡充

大統領令の署名から数日後、アーチャーは新株の発行によって8億5000万ドル(約1292億円)を調達したと発表した。ゴールドスタインによると、この資金は同社の財務基盤を強化するだけでなく、防衛や公共事業、ソフトウェア開発など、他の事業分野の拡充にも充てられるという。

第2四半期の損失は約180億円、前年の約143億円から悪化

ただし、アーチャーには依然として財務面の課題が残っている。同社は今年6月30日までの第2四半期の税引前・利払い前損失が1億1870万ドル(約180億円)に拡大したと報告している。前年同期の9380万ドル(約143億円)の損失から悪化した主な要因が「航空機生産の本格化にある」と説明していた。アーチャーは、第3四半期の決算で1億1000万〜1億3000万ドル(約167億〜198億円)の損失を見込んでいる。

「現金および現金同等物が約2584億円を超える」と強調

それでも同社は、第2四半期の決算報告書で「現金および現金同等物が17億ドル(約2584億円)を超える当社は、業界をリードする強固なバランスシートを維持している」と強調した。

forbes.com 原文

翻訳=上田裕資

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