スポーツ

2025.10.24 17:30

ワールドシリーズまで中6日、ドジャースへの影響は? 医学博士の注目ポイント

MLBナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦で、2本目の本塁打を放ったロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平と、「何てこった」という表情を浮かべるミルウォーキー・ブルワーズの捕手ウィリアム・コントレラス。2025年10月17日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのドジャー・スタジアムで(Sean M. Haffey/Getty Images)

MLBナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦で、2本目の本塁打を放ったロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平と、「何てこった」という表情を浮かべるミルウォーキー・ブルワーズの捕手ウィリアム・コントレラス。2025年10月17日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのドジャー・スタジアムで(Sean M. Haffey/Getty Images)

ロサンゼルス・ドジャースの選手たちや関係者は、17日夜(日本時間18日)にミルウォーキー・ブルワーズを4勝0敗で破ったことを後悔してはいないだろう。ナ・リーグ優勝決定シリーズを完勝で飾ってワールドシリーズに進むチャンスがあれば、それを掴むのが当然だ。

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とはいえ、ドジャースはその後とにかく待つ羽目となった。トロント・ブルージェイズが20日にア・リーグ優勝決定シリーズの最終第7戦でシアトル・マリナーズを下すのを待たねばならなかった。そして、ワールドシリーズは24日(日本時間25日)に開幕する。ドジャースにとって実戦は7日ぶりとなる。ここで懸念されるのは、この6日間の休養がポストシーズン10試合で9勝を挙げているドジャースの選手たちを「サビつかせる」恐れがある点だ。

ポストシーズン中の休養期間の長さがワールドシリーズの行方に与える影響についていえば、歴史は必ずしもドジャースに味方してはいない。7試合制のリーグチャンピオンシップシリーズ(LCS)をスイープ(全勝)で突破したチームが対戦相手のLCS終了を待たねばならなかった場合、その後のワールドシリーズでは2勝7敗という惨憺たる成績に終わっている。実際、過去15回のプレーオフでLCS終了日がずれた場合をみても、先に決着をつけたチームがワールドシリーズを制したのは3回だけ(3勝12敗)だ。

一方、ドジャースは前年度ワールドシリーズ王者であり、MLB最大のスター「Sho」こと大谷翔平をはじめ、豊富な戦力を擁している。

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ドジャースが直面する「身体的なサビつき」

大きな懸念の1つに、フィジカル面の「サビつき」がある。というのも、人間の体は現在進行形で強制されている行動に適応する傾向があるからだ。これは「SAID:Specific Adaptation to Imposed Demandsの原則(特異性の原則)」として知られている。肉体は課された負荷に対して特異的に適応するというもので、野球に当てはめれば、実戦が続くと選手の体は試合中に最高のパフォーマンスを発揮できるよう適応していくということだ。しかし、休息が長引いたり練習だけを繰り返したりしていると、体はそれらに適応し、試合であまり好成績が出せなくなる可能性がある。

特に懸念されるのは、6日間にわたる休養期間が、ドジャースで指名打者と投手の二刀流をこなし、皆の期待に応え続けている大谷の勢いを損なうことだ。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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