米国のドナルド・トランプ政権がロシアの2大石油企業であるロスネフチとルクオイルに制裁を発動したことを受け、世界の原油価格は23日、急騰した。同政権は、ロシアがウクライナとの停戦に応じない限り、さらなる措置を講じると警告している。
世界の原油価格の指標となる北海ブレント原油先物は同日、3.7%以上上昇し、1バレル65ドル近くまで値を上げた。米国産ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物も3.9%上昇し、1バレル60.76ドルとなった。
制裁の理由について、米財務省外国資産管理局(OFAC)は、ロシアがウクライナとの戦争終結に向けた和平プロセスに真剣に取り組んでいないためだと説明した。同省のスコット・ベッセント長官は、「ロシア大統領府(クレムリン)が推し進める戦争に資金を提供している」ロシアの2大石油企業を制裁対象に指定するとした上で、「トランプ大統領の戦争終結に向けた取り組みを支援するため、必要であればさらなる措置を講じる用意がある」と警告した。
ロスネフチとルクオイルは先週、英国の制裁対象となっていた。欧州連合(EU)も22日、ロシア産液化天然ガス(LNG)の輸入禁止を含む新たな制裁措置を承認した。
インドもロシア産原油の輸入をほぼ停止か
米ブルームバーグ通信によると、米国の新たな制裁措置を受け、インドはロシア産原油の輸入をほぼ停止するとみられる。ロシアは2023年以降、インド最大の石油供給国となっており、この状況を巡ってインドと米国の間では摩擦が生じていた。ブルームバーグ通信は、匿名で取材に応じたインドの製油所幹部の証言を基に、今回の米国の制裁により、これまでのようなロシアからの大量の原油輸入はほぼ不可能になるだろうと伝えた。英ロイター通信は、インドの国営製油所がロシア産原油の輸入を見直しており、ロスネフチとルクオイルからの直接供給がないことを確認したと報じた。
トランプ大統領は先に、ロシア産原油を大量に輸入し続けているとして、インドに対し50%の高関税を課していた。同大統領は、インドのナレンドラ・モディ首相が、今後はロシアから大量の原油を輸入する意向はないと受け合ったと述べた。



