2025.10.24 13:00

夢のデジタルノマド生活、経験者が語る「後悔」 海外移住前に知っておきたかったこととは

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ソーシャルメディアで見かけるデジタルノマドの生活は、とても魅力的に感じられる。青い海が広がる砂浜でカクテル片手に仕事をし、都市から都市へと飛び回り、リモートワークや起業の利点を最大限に活用して人生を謳歌しているイメージだ。

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確かに、デジタルノマドにはメリットもある。だが、ビジネス用のノートパソコンを携えて根なし草の生活に飛び込む前に、このライフスタイルならではのデメリットも考慮すべきだろう。

現在デジタルノマドの人や、以前そうだった人たちに、本国を遠く離れて旅をしながら仕事をこなす生活を始める前に知っておきたかったことは何かを聞いてみた。

「永遠の渇望」が後遺症に

「私と家族はこれまでに2度、デジタルノマド生活を送った。正直に言って何を後悔しているかといえば、『その後』について誰も教えてくれなかったことだ」と語るのは、PR会社Roam Generationの創設者で取締役のエリン・キャリーだ。「あれほどの自由を一度味わってしまえば、普通の生活に戻るのはものすごく難しい」

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「(デジタルノマドは)もう終わりにしようと考えて、私たちはボートを手放し、家を買った。このまま定住するのだと、これで満足なのだと自分に言い聞かせ、今の生活に感謝しようとした。でも、同じボートが売りに出されているのを見た瞬間、即座に買い戻していた。これこそ、私が前もって知っておきたかったパラドックスだ。ノマド生活は永遠には続かないが、その生活で知った渇望は永久に消えない」

ビジネスや創造力の停滞を招く

「デジタルノマドをやってみた最大の後悔は、孤独感やWi-Fiの問題ではなかった。それは創造的プロセスが思いのほか損なわれてしまったことだった」と、米ニューヨークを拠点とするSaaSプラットフォーム「Snov.io」の創業者で最高経営責任者(CEO)のアレックス・クラトコは振り返る。

「グローバルに展開するテック企業の創業者として、ポルトガルのリスボンにあるカフェでコーディングをしたり、カナダ・トロントの公園で戦略会議に参加したりする目新しさを最初のうちは楽しんでいた。その『インスピレーション』に酔いしれていたんだ」

「だがそのうちに、本当の仕事、集中して取り組む仕事(たとえば会社を立ち上げるなど)には、別種の土壌が必要だと学んだ。移動ばかりの生活は集中力を細切れに削いでしまう。経験をいくら積もうと、新しいものは何も築けなかった。仮の仕事机をとっかえひっかえしながら、ただ業務をこなしているだけだったのだ」

「最大のブレークスルーはインドネシアのバリ島で夕日を眺めている時ではなく、ウクライナの首都キーウの賃貸アパートで何にも邪魔されず静かに暮らした1カ月間に訪れた。そこにあった景色は、私自身の思考だけだった」

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翻訳・編集=荻原藤緒

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