地政学的には、高市が示してきた中国に対するタカ派姿勢や、より積極的な防衛体制への支持は、地域の投資家にさまざまな影響を及ぼすおそれがある。また、円高やエネルギー価格の変動は輸出の動向を悪化させかねない。
日本株の注目分野は
日本株への投資を検討する場合、以下のテーマが注目される。
・ハイテク・半導体:半導体の自給率回復に向けた日本の取り組みは、製造装置や素材、先端ロボット関連の企業を潤す可能性がある
・防衛・安全保障:防衛予算の増額や米国との連携強化は、航空宇宙、サイバーセキュリティー、デュアルユース(軍民両用)技術といった分野でチャンスを生み出むと見込まれる
・内需・レジャー:景気刺激策に促進される消費や、インバウンド(訪日外国人)観光の回復は、一般消費財やホスピタリティー産業(宿泊業、飲食業、娯楽業など)を押し上げるかもしれない
・グリーンインフラ:環境負荷が少ないクリーンエネルギーやクリーンモビリティーへの政府支援の投資は、建設、再生可能エネルギー、次世代輸送手段といった分野に恩恵をもたらすだろう
今後は政策の中身や実行力が問われる
日本初の女性首相の誕生はたんなる政治的な節目になっただけではない。それは、市場に広く日本への再評価を促すきっかけになる可能性もある。企業に眠っていた価値は、すでにコーポレートガバナンス改革によって解き放たれつつある。円は依然として大半の指標で過小評価されているのが現状だ。一方、政策立案者は成長へのコミットメントをあらためて表明している。
この楽観論が続くかどうかは高市政権の実行力にかかっている。投資家は、熱意と選別を両立させるのが賢明だろう。高市の成長戦略に沿っていて、株主による規律にしっかり応える企業を重視すべきだ。
メディアでは今後も、日本初の女性首相という象徴的な点が強調されるだろう。だが、日本の向こう10年を決定づけるのはむしろ、財政政策やコーポレートガバナンス改革、市場規律といった実質的な要素かもしれない。歴史が示しているように、新たなリーダーのもとで改革を受け入れた国に対しては、市場は好意的に反応する傾向にある。日本は、この歴史の法則を再び証明しようとしているのかもしれない。


