女性の指導者に寛容な日本人
日本は男女格差が大きいにもかかわらず、世論調査からは、米国人より日本人の方が女性の指導者に寛容である実態が浮き彫りになった。米アメリカン大学が先月実施した世論調査によると、米国では依然として多くの人が女性大統領の可能性に否定的であることが明らかになった。調査では、大統領選挙で「有能な女性候補に投票したいか」との質問に、調査対象者の18%が「いいえ」と回答。特に50歳未満の層では、「女性候補には投票しない」と答えた人の割合が25%と大きかった。この年齢層の回答者で「女性候補に投票しない人物を知っている」と答えた割合は46%に上った。米学術誌「米国の政治研究」に掲載された今年の調査では、「国民の16%が女性大統領の可能性に不快感を示している」ことが示された。
意外にも、米国とは対照的に、米スタンフォード大学が23年に実施した調査によれば、男女ともに日本人の大多数が、議員や企業の幹部に女性を望んでいることが明らかになった。東京財団による23年の調査では、女性の首相に反対する日本人はわずか10%だった。これらの数字が、日本が初の女性首相を迎えた一方で、米国がいまだに女性大統領を擁立できない理由を説明しているのかもしれない。
高市首相が日本人女性に与える影響は不透明
高市首相は日本で長年にわたって立ちはだかってきたジェンダーの壁を打ち破ったものの、女性問題に対する同首相の立場は必ずしも明確ではなく、これまでも保守的な見解が目立ってきた。
例えば、同首相は女性天皇の即位を認める法改正に反対している。また、現行の民法では婚姻関係にある夫婦は同一の姓を名乗ることが義務付けられている。これに対し、女性の権利擁護団体は、夫婦別姓の選択肢を認めるよう法改正を求めている。だが、高市首相は法改正に反対の立場を示し、夫婦の姓が異なることが離婚率の上昇や不倫につながる可能性があると主張。同首相は同性婚にも反対している。
とはいえ、たとえ高市首相がフェミニストではなかったとしても、同首相の世界舞台への登場そのものが、女性指導者に対する固定観念や偏見をなくす助けとなるだろう。高市首相が模範となることで、女性の政治参加の拡大や政府機関の女性の増加につながることが期待されている。


