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2025.10.27 08:00

「砂糖」で評価額6000億円、トランプから「甘い報酬」を受ける富豪一族のビジネス

ペペ・ファンジュール(Photo by Steve Eichner/WWD via Getty Images)

ファンジュール家の政治的手法への批判

ファンジュール家は、フィデル・カストロが率いたキューバ革命の後の1959年に、キューバから南フロリダへ移住した。長年にわたり共和・民主両党に政治献金を行う一方で、数多くの批判にもさらされてきた。ケイトー研究所のコリン・グラボウは、2018年に発表した報告書『キャンディ・コーテッド・カルテル──今こそ米国の砂糖政策を終わらせる時だ』で、「もしファンジュール家がアメリカン・ドリームの象徴だとするなら、それはかなり皮肉な見方だ」と述べていた。

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「彼らのように政治家と親密な関係を築き、政策を自分たちの思い通りにねじ曲げるというのは、典型的なアメリカの成功物語とはいえない。本来のアメリカン・ドリームとは、創意工夫と努力によって成功をつかむことであって、政治を操る力で富を築くことではない」とグラボウは述べている。

これに対してファンジュール家の代理人はこう反論する。「ファンジュール家は、この国で努力と強い勤勉の精神によって得られる機会に感謝している。彼らの物語こそアメリカン・ドリームそのものだ」。

ファンジュール家はこれまでも長年にわたりコカ・コーラの砂糖供給業者であり続けてきたが、それは特定の製品や独占契約に基づくものではなかった。だが今回、米国内最大の有機再生農法認証を受けた農場であり、同認証の下で砂糖(サトウキビ)を栽培する唯一の農場「フロリダ・クリスタルズ」が新たに独占的パートナーとなれば、コカ・コーラは持続可能で追跡可能なサプライチェーンの構築をアピールできることになる。

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「持続可能性」をアピールするものの、環境汚染や強制労働の疑惑

しかし、ファンジュール家が「持続可能性」を掲げるようになったのは、ここ最近のことだ。一家はむしろ長年にわたり、農場からの化学物質流出によって水路を汚染しているとの非難を受けてきたことで知られている。これに対しファンジュール家の代理人は、「当社の農場は水をろ過し、入ってきたときよりもきれいな状態で放出している」と反論している。また、「収穫前にサトウキビの葉を焼く工程が有害ガスを発生させ、大気汚染を引き起こしている」との指摘もある。これについても同代理人は、「それは一般的な手法であり、州の厳格な規制のもとで行われている。当社では住宅や商業施設から3.2キロ以内では焼却を行っていない」と説明している。

また一家のフロリダ・クリスタルズは、サトウキビの繊維を燃料とする再生可能エネルギー発電所を運営しているほか、米国で10番目に大きい堆肥施設も所有している。「私たちは地域社会の一員であり、社員もそこに暮らしている。だからこそ、その地域を守り、支える責任がある」と代理人は語る。

しかし、彼らに向けられる批判は、環境破壊の疑惑だけではない。ファンジュール家はドミニカ共和国における強制労働の疑いでも長年批判を受けてきたが、同社はこれを否定し、「労働環境の改善には積極的に取り組んでいる」と主張している。

「ファンジュール家は一夜にして成功を収めたわけではない」と代理人は続ける。「過去65年にわたり、努力と忍耐、そして専門知識によって、事業を今日の規模にまで成長させてきたのだ」。

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翻訳=上田裕資

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