会話は良好な人間関係を支えるものだ。会話なしには、私たちはつながることも、情報を伝えることも、共感することも、あるいは本当に意味のあるコミュニケーションをとることもできない。質問は会話において特に重要な部分だ。質問をすることで、気にかけていること、興味を持っていること、もっと知りたいと思っていることを相手に示せる。そして最も重要なことに、相手の話に耳を傾けていることを示すことができる。
質問が相手への配慮と傾聴を示すものであるため、“会話”の新トレンドである「ブーメラスキング(Boomerasking)」は特に腹立だしい。専門誌『Journal of Experimental Psychology: General(ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・サイコロジー:ゼネラル)』に今年掲載された研究で概説されているように、この用語は、自分が答えるためだけに他人に質問する傾向を指す。
ここでは、ブーメラスキングが実際にどのようなものなのか、またなぜ会話の進行に大きなダメージを与えるのかを説明する。
ブーメラスキングとは
あなたの想像とは裏腹に、ブーメラスキングはベビーブーマー世代(誰でもブーメラスキングをする可能性がある)とは何の関係もない。ブーメラン(boomerang)とアスキング(質問。asking)を組み合わせた造語だ。
ブーメラスキングは、1人がもう1人に質問することから始まる。例えば、人物Aが 「この週末は何をしてた?」と尋ねる。すると、人物Bは「特に何も」と答える。そして同じ質問を人物Bから返される前に、あるいは人物Bの返事を聞く前に、人物Aは即座に自分が投げかけた最初の質問に答えようとする。例えば「私の週末は最高だった!」と言って詳細を語り始める。
前述の研究の著者であるアリソン・ウッド・ブルックスとマイケル・ヨーマンズはブーメラスキングについて「誰かが質問することから始まるが、ブーメランのように質問はすぐに質問した人の元に戻る」と要約する。
ブルックスとヨーマンズは、ブーメラスキングを以下の3つのタイプに分類している。
・自慢するための質問:相手に質問し、その後に自分の肯定的なことを明らかにする。例えば、自分が計画している充実した休暇について自慢するために相手の休暇の予定を尋ねる
・愚痴るための質問:相手に質問し、その後に否定的なことを打ち明ける。例えば、相手のその日の予定を聞いて、その後に自身がその日予約している気の進まない診察のことを話す
・共有するための質問:質問をしてから、中立的なことを明らかにする。例えば、昨晩見た奇妙な夢を共有する機会を得るために、相手の夜のことを尋ねる
重要なのは、上記のタイプのいずれも質問をした側が相手の答えに何らかの形で関与することはないということだ。それどころか、最初の質問は、自分自身や自分が言いたいことを中心に会話を進めるきっかけにしかならない。



