今週は星空に季節の廻りを深く感じられそうだ。オリオン座の三つ星が東から昇り、冬の星座が夜空に戻ってくる。その間をオリオン座流星群が流れ、新月という完璧な条件の下、今年最高の流れ星のショーを見せてくれるはずだ。その後は三日月が水星やさそり座の赤色超巨星アンタレスと共演する。
そして今週は、2つの彗星を同時に観察できる絶好の機会となる。今年発見された「スワン彗星(C/2025 R2)」と「レモン彗星(C/2025 A6)」が、相次いで地球に最接近するからだ。2025年10月21日からの1週間の夜空についてまとめた。
10月21日(火):オリオン座流星群と2つの彗星が見ごろ
新月を迎え、完全な闇夜が訪れる。今宵、極大を迎えるオリオン座流星群にとって最高のタイミングだ。流星は夜明けまで降り続き、オリオン座の「右肩」でオレンジ色に輝く1等星ベテルギウスの左上、オリオンが振りかざした棍棒のあたりにある放射点から、1時間あたり最大約20個の流れ星が飛び出してくる。母天体は、5月のみずがめ座η(エータ)流星群と同じハレー彗星である。
街灯や町明かりのない暗い場所で、目が暗闇に慣れるまで20~30分待とう。流星は夜空のあちこちへ向けて流れるので、オリオン座の方向だけを見るのではなく、夜空を広く眺めると流れ星を見つけやすい。
日没直後には、スワン彗星(C/2025 R2)とレモン彗星(C/2025 A6)が見ごろとなる。スワン彗星は20日、レモン彗星は21日が地球最接近日で、ともに最も明るく輝いて見える。スワン彗星の明るさは5.5等級、レモン彗星は4.4等級まで明るくなっており、暗い空でなら肉眼でも見える可能性があるが、観察には双眼鏡があったほうがいいだろう。



