宇宙

2025.10.21 15:00

スワン彗星とレモン彗星が輝き、オリオン座流星群が降り注ぐ 今週の夜空

10月17日宵に撮影した「レモン彗星(C/2025 A6)」(Dimitrios Katevainis, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons)

10月24日(金):三日月と水星

日没後まもなく南西の超低空を探すと、細い三日月と水星が仲良く並んで浮かんでいる。水星の右側には火星もあるが、暗いため見つけるのは難しいだろう。いずれもあっという間に地平線の下に沈んでしまうので、観察するなら急ぐ必要がある。(編集部注:水星の高度も非常に低いので、見晴らしのよい場所で、星空アプリなどで位置を確かめてから双眼鏡で探すとよい)

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2025年10月24日、日の入り約35分後(東京:午後5時30分頃)の南西の空(Stellarium)
2025年10月24日、日の入り約35分後(東京:午後5時30分頃)の南西の空(Stellarium)

10月25日(土):細い月とアンタレスが共演

日没後の南西の低空で、月齢3.8の細い月が、さそり座の「心臓」にあたる赤色超巨星アンタレスと並ぶ。月の陰の部分をほんのり照らす「地球照」を見逃さないでほしい。

2025年10月25日、日の入り約35分後(東京:午後5時30分頃)の南西の空(Stellarium)
2025年10月25日、日の入り約35分後(東京:午後5時30分頃)の南西の空(Stellarium)

10月27日(月):月が「ティーポット」の中に入る

月齢5.8の少し厚みを増した月が日没後の南南西の空で、いて座に位置する。夏の星座として知られるいて座には英語圏で「ティーポット」と呼ばれるアステリズム(星群)があり、月はちょうどその中にすっぽり収まって見える。

2025年10月27日、日の入り約40分後(東京:午後5時30分頃)の南南西の空(Stellarium)
2025年10月27日、日の入り約40分後(東京:午後5時30分頃)の南南西の空(Stellarium)

今週の星座:オリオン座

オリオン座は冬の夜空に君臨する星座だが、10月下旬の夜空に昇ってくる瞬間は、また格別だ。「オリオンのベルト」の通称を持つ三つ星、赤色超巨星ベテルギウス、青色超巨星リゲルといった明るい星たちが目印となって、全天でも指折りの見つけやすい星座といえる。

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スペイン北部ナバラ州で、遺跡の横に昇るオリオン座(Carlos Zudaire/IAU OAE, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons)
スペイン北部ナバラ州で、遺跡の横に昇るオリオン座(Carlos Zudaire/IAU OAE, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons)

三つ星の近くにはオリオン大星雲(M42)がある。新しい星が生まれる「星のゆりかご」と呼ばれる領域で、肉眼でも見えるが、双眼鏡で覗くと息をのむような美しい姿を観察できる。

オリオン大星雲(M42)。地球から約1600光年という近い距離にある星形成領域で、太陽のような恒星を1万個作れるほどの星間物質が集まっている(KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/Ryan Steinberg and Family/Adam Block)
オリオン大星雲(M42)。地球から約1600光年という近い距離にある星形成領域で、太陽のような恒星を1万個作れるほどの星間物質が集まっている(KPNO/NOIRLab/NSF/AURA/Ryan Steinberg and Family/Adam Block)

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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