経営・戦略

2025.10.18 16:02

高収益企業ほどサステナビリティへの取り組みが強化される傾向

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高い売上高が企業のサステナビリティを向上させるのだろうか?

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2025年フォーブス・リサーチのサステナビリティ状況調査の結果から、売上高とサステナビリティへのコミットメントが正の相関関係にある分野がいくつか明らかになった。

様々な業界の1,100人以上の経営幹部の見解を調査した最新の分析では、サステナビリティと売上高に関するもう一つの側面が浮き彫りになった。最大規模の企業の取締役会は、小規模組織の取締役会よりも議題設定において重要な役割を担っているのだ。

この調査から得られた最新の知見を掘り下げてみよう。この調査では、世界中の経営幹部に対し、サステナビリティ関連の取り組みに関する主な優先事項や課題、そして世界をより持続可能にするために自社が果たす役割について質問した。オンライン調査は1月から3月にかけて実施された。

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売上高の増加に伴い、サステナビリティの優先度も上昇

企業のサステナビリティと年間売上高の間に相関関係があるかどうかを調べるため、フォーブス・リサーチは各回答者に5つの売上高範囲から自社に該当するものを選択してもらった。その後、各売上高グループが特定の調査質問にどのように回答したかを分析した。

年間150億ドル以上を稼ぐ企業(調査における最高収益グループ)では、経営幹部の89%がサステナビリティをトップ3の優先事項に挙げており、これは全売上高グループの中で最も高い割合だった。売上高が減少するにつれて、サステナビリティをトップ3に位置づける経営幹部の割合も減少している。

このレベルのコミットメントは調達にも及んでおり、大規模企業ほどサプライチェーンをより持続可能にするためにパートナーと協力する可能性が高い。150億ドル以上のグループでは約4分の3がそうしていると回答しているのに対し、最も低い売上高グループである5億ドルから100万ドルの範囲の企業では3分の1にとどまっている。

取締役会が企業のサステナビリティを推進

高収益企業では、取締役が戦略を舵取りしている。

150億ドル以上の企業の経営幹部の70%が、サステナビリティに関する決定の最終責任は取締役会にあると回答している。これはCEOよりも取締役会が上位に立った唯一の売上高区分であり、取締役がいかに環境に対する説明責任を企業統治に組み込んでいるかを浮き彫りにしている。

グローバルビジネスと世界にとって、その重要性は明らかだ。最大規模の企業の取締役会で下される決定は、市場やサプライチェーンを通じて波及し、より広範なサステナビリティの形成に影響を与える可能性がある。

forbes.com 原文

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