2025.10.19 16:00

「オープンカーは危険」というわけではない 米調査結果

「オープンカーは危険」という話は過去のもの(Shutterstock.com)

「オープンカーは危険」という話は過去のもの(Shutterstock.com)

かつて、オープンカーを所有することは大きなリスクを伴った。もし車が横転したら、堅固なルーフがないために、乗員が負傷したり死亡する危険がはるかに高くなる恐れがあったからだ。ある年代の人には、今でもその記憶が残っていることが多い。しかし、今日の現実はまったく異なる。

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米国道路安全保険協会(IIHS)によると、現代のオープンカーは金属製の固定ルーフを備えた車両よりも危険ということはなく、場合によっては、より安全性が高いこともあるという。

同協会は、2014年から2018年の間に製造されたオープンカーと非オープンカーで、走行距離あたりの運転者死亡率と警察報告事故発生率がどのくらい異なるかを比較した。その際、運転者のシートベルト着用状況、飲酒運転の有無、車外放出の有無などについても比較分析が行われた。

驚くことに、数値はオープンカーが固定ルーフを持つ兄弟車に劣らないことを示した。このことは、屋根を開けて陽光や風を浴びながら、一人またはパートナーとドライブすることを好む人生を楽しんでいる人にとって朗報だ。

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実際には、走行距離あたりの警察報告事故件数は、オープンカーの方がセダンやクーペの同型車よりも6%少なかった。また、いくつかのモデル同士の比較では、オープントップ仕様のほうが実際に運転者死亡率が低かった。

なぜ、このように直感的な予想に反した結果となったのだろうか? いくつかの説が考えられる。

・所有者層:オープンカーはより高価であるため、高収入で高齢な運転者が多い。そして、そのような人々は概して運転が慎重である。

・車両重量:オープントップ仕様は通常、車体の補強や幌の開閉機構が追加されるため、固定ルーフの同型車よりも車両重量が重くなる。車両同士の衝突事故では重い車のほうが乗員保護の点では有利。

・運転スタイル:屋根を開けると、運転者は周囲に対して、より敏感になる。また、オープンカーは天候の良い日に運転される傾向があり、雨で濡れた路面や凍結した路上を走る機会が相対的に少ない。

・運転者の行動:オープンカーの運転者はシートベルト着用率がより高く、速度も控える傾向がある。しかし、データによると飲酒運転の確率はわずかに高い。

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翻訳=日下部博一

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