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2025.10.20 17:00

グーグルとSpotify出身者が設立、広告運用エージェントAIの「エピマインズ」10億円調達

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エピマインズは現在、17の広告代理店と提携し、250以上のブランドを管理している。初期顧客の大半は中規模代理店だが、グローバル展開する大手代理店との交渉も進行中だ。マルムによれば、同社の理想的な顧客は、従業員数が200~1000名程度の自動化のニーズが高い規模の企業であり、且つ、マーケティング業界で過去10年間に起きた最大の変化に迅速に対応できる機動力を持つ企業だという。スウェーデンの広告代理店BBOの創業者兼CEOであるジョン・アクセルソンは、エピマインズについてこう語る。「当社は、広告ワークフローにエピマインズを統合した。分析や実用的なインサイトの抽出が自動化されたことで、戦略的な意思決定は人間が引き続き担いつつ、担当者の働き方が大きく変わった。導入によって最適化が加速し、人間の専門知識とAIの連携がより効果的になり、最終的にクライアントに高い成果をもたらしている」。

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マルムとエルキディールのビジネスアイデアは、欧州版YコンビネータであるEWORに採択され、12週間でプロトタイプ開発、初の有料顧客獲得、さらには資金調達を実現した。EWORはメンターシップに加え、アーリーステージの起業家に最大50万ユーロ(約8800万円)の資金を提供する。この成長スピードと実行力が評価され、ライトスピード・ベンチャー・パートナーズは660万ドルのシードラウンドを主導することとなった。

ライバル企業もこの有望な分野に参入している。「トリプル・ホエール(Triple Whale)」は広告チャネルを横断したデータを集約し、ダッシュボードやAI駆動型アラートを通じて分析結果を提供する。一方、「ノースビーム(Northbeam)」や「ロッカーボックス(Rockerbox)」などの企業はアトリビューション・モデリングを専門とし、「オムニキー(Omneky)」はAIでクリエイティブ生成とキャンペーン最適化を自動化する。しかし、エピマインズによれば、レポーティング、入札、予算配分、クリエイティブ業務といった作業を自律型エージェントがリアルタイムで連携させながら、インサイトの抽出からオーケストレーション、実行までを一気通貫で行える企業は、同社だけだという。

ライトスピード・ベンチャー・パートナーズのパートナー、ポール・マーフィーは、エピマインズのアプローチを「デジタルマーケティングにおける構造的非効率への直接的な挑戦」と評する。彼はこの変化を、自動化プラットフォームが手作業のレポート作成や断片的なスプレッドシートに取って代わった、初期のSaaSブームに重ね合わせている。

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エルキディールは、同社の真の強みはアーキテクチャにあると強調する。「各エージェントは、他のエージェントの動きを把握しながら、連携したチームとしてのデータ収集、結果分析、改善策の提案を行う。これは単なるダッシュボードではなく、生きたシステムなのだ」と彼は話す。

一方、マルムは簡潔にこう説明する。「我々はマーケティングのオペレーティングシステムを構築している。ルーシーは単なるインターフェースであり、ユーザーが目にする製品にすぎない。真の価値は、その背後にあるマルチエージェントネットワークにある。このネットワークは、あらゆるキャンペーンを通じて学習し、適応し、改善を重ねるのだ」。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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