国内

2025.10.22 15:45

親友3人で一番「慎重なあいつ」が。無念の元記者精神科医、致死傷罪数値化に思う

中学時代からの大事な友、Yの遺影

「本当は生きてるうちに渡したかったと思うんですけど」。そう言われて受け取ったのは防災防犯用のホイッスルだった。

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新聞か何かでYはそのホイッスルのことを知ったらしい。ひと箱30個入りのを2つも買い込み、去年から会社の同僚らに配っていたのだそうだ。もちろん、Yの妻と看護師として働く長女にも「身に着けといた方がいい」と言って渡したという。

大学卒業後、身を粉にして働いてきたY。南海トラフ大地震の話も会った時にするほど、用心深く生きてきたY。その人生行路が突然、こんな形で途切れようとは思わなかったに違いない。

どんなに今回の事故を振り返っても、詮無いことはわかっている。でも、書き留めておきたい。そう奥さんに伝えたら、どうぞ、どうぞと返してくれた。いつになるかはわからぬが、私も彼岸についたらまた語り合おうと、3150Hzのホイッスルを小さく吹いた。

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文=小出将則

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