食&酒

2025.10.18 12:00

アメリカ最高のビールが決定──金賞を手にしたのは誰か

Great American Beer Festival(Hyoung Chang/The Denver Post via Getty Images)

Great American Beer Festival(Hyoung Chang/The Denver Post via Getty Images)

毎年10月(年によっては9月下旬)、グレート・アメリカン・ビア・フェスティバル(GABF)はデンバーを米国クラフトビールの中心地に変える——そして、今年の競技会は、米国のビールの層の厚さを改めて示した。ジューシーなIPAからキレのあるピルスナー、伸び盛りのシードル(リンゴ酒)まで、2025年のGABFには全50州とコロンビア特別区から1555のブルワリーとシードルメーカーが集まり、39部門で8300点超のエントリーがあった。

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7日間にわたり、250人の審査員と300人のボランティアがブラインドテイスティングで審査を行い、業界で最も権威あるメダルの受賞者を決定した。まさに目を見張る審査プロセスである。最終的に、273のブルワリーとシードルメーカーが合計347個のメダルを手にし、そのうち12は初受賞だった。米国の醸造コミュニティの創造性と技術力を示す結果だ。

地平を広げた1年

ブルワーズ・アソシエーションは今年も競技会を拡大した。2024年にシードル部門を追加した流れを受け、今年は1度限りの「ヴェラホップ」(Vera Hop)部門と、新たに3つのラガースタイル——メキシカン・スタイル・ペール・ラガー、インターナショナル・アンバー・ラガー部門を設けた。これらの新部門は、ブルワーが伝統的な定義を押し広げていること、そしてフェスティバルが飲み手の変化に合わせて進化し続けていることを示している。

「年を追うごとに、グレート・アメリカン・ビア・フェスティバルは米国の醸造における基準を打ち立てている」と、ブルワーズ・アソシエーションの競技会ディレクター、クリス・ウィリアムズは受賞者発表のリリースで「今年の参加者は、これまでで最も層が厚くなりました」と述べた。

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ジューシー、ヘイジー、敵はなし

例年通り、IPAがフィールドを席巻した——とりわけ最も競争が激しい「ジューシー/ヘイジーIPA」部門(301エントリー)で顕著だった。イリノイ州のDESTIHL Breweryが「TourBus® Double Dry Hopped Hazy IPA」で金賞を獲得し、カリフォルニア州のMadeWest Brewing Co.の「MadeWest Hazy」、イリノイ州のPollyanna Brewing Co.の「Cloud Counter」が続いた。

それに迫る形で、ウエストコーストIPA部門(300エントリー)は、ヘイズ(濁り)よりも松やレジン(樹脂)の魅力というタイムレスな訴求力を見せつけた。コロラド州のWestbound & Down Brewing Co.が「How the West Was One: Mosaic」で金賞を獲得し、Los Molinos Beer Co.とオレゴン州のpFriem Family Brewersを抑えた。

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翻訳=酒匂寛

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