Plaud Noteに上位モデルが登場し、さらに連携するAIサービスが大幅に強化された。Plaud Note ProとPlaudアプリ3.0の登場である。
1年半以上前のこと。AIを活用したボイスレコーダであるPlaud Noteを初めて見た際には、さほど画期的な製品だとは思えなかった。それまで筆者はOtterという音声認識とAIによるようやく機能を持つノートテイキングアプリを使っていた。
AIサービスはクラウドにある。なぜハードウェアとして販売するのだろう? と少しばかり違和感を感じていたのだ。
しかし実際に使い始めると、その印象は大きく変わった。
3メートル程度までなら、離れた場所にる話者の音も的確に拾う上、バッテリーへのインパクトもなく、何より録音データのみを大容量メモリに記録管理できる。AIサービスも音声処理専用に設計され、仕事の動線として実にシンプルになった。
今回の新製品はそのハードウェアを大幅に強化した上で、組み合わせるAIサービス、スマホアプリも進化。さらには、クラウド上で処理する記録データの扱いについて、国際標準に則った手順を踏んでいることも明らかになっている。
筆者は、普段の仕事を初代モデルなしにはこなせないほど毎日愛用してきた。
Plaud Noteのコンセプトを模倣する製品も増加しつつある中、Plaud Note Proおよび組み合わせられているAI要約サービスはより実用性の高い機能で、使いやすさ、実用性の両面で大きく進化していた。
1年半にわたって使い込んだ筆者の視点で、“どのように仕事のスタイルが変わるのか”を炙り出していきたい。
新製品で進化した二つの軸
Plaud Note Proは従来製品に比べ、二つの異なる軸で進化している。
ひとつは“ハードウェアとしての進化”。純粋にAIを活用したボイスレコーダとして納得の進化を遂げている。“新製品”としての評価はこちらが主となるが、アプリ(およびその背景にあるAIサービス)の進化も同時に施されている。こちらは従来のPLAUD製品すべてに施される改善だ。
“スマホで十分じゃないか”“iPhoneのマイクは極めて優秀だ”という意見はその通りだが、一方で専用デバイスならではの使い勝手もある。そして、その使い勝手が実は“AIによる要約と分析”にも反映される設計になっている。
詳細は後述するが、“ただ録音するための道具”ではないところが大きなポイントだ。
そして、Plaud Note Proの登場と同時にバージョン3となったPLAUDアプリは、音声録音中に接続しているスマホで写真を撮影したり、簡単なテキストメモを記録できる。また“ここは大切”というポイントをPlaud Note Pro本体のボタンで知らせることもできる。“音声だけ”ではなく、マルチモーダル、すなわち異なる複数の情報を組み合わせて情報を整理してくれるようになったわけだ。



