2. 買わずに自分で作る
物質主義と買い物依存に関する研究は、この2つの行動がいかに密接に結びついているかを示している。400人近くの消費者を調査したところ、買い物依存のスコアが高い人は、うつの程度や物質主義的な価値観がかなり強かった。
これは、深夜のネットショッピングであれ、終わりのないサブスクであれ、「多い」ことが必ずしも快適でないことを暗示している。ふとした思いつきが毎回満たされれば、結果は喜びではなく、物質的にも精神的にもますます雑然とした状態になるだけだ。
私たちは、この度を越した利便性に密かに伴うコストについても考慮しなければならない。新しいサブスクを契約するたびに、私たちは新たな請求書に追われることになる。商品が配達されるたびに部屋は雑然とし、整理したり捨てたりしなければならない。タスクのアウトソーシングに使うアプリでさえ、注意を向けることを求める。そのため、暮らしをシンプルにするために始めたことが、かえって複雑にしている。
解決策は簡単そうに見えるかもしれないが、実践が必要だ。購入を減らし、自分でやってみる。便利さをすべて諦める必要はなく、思考と行動の両面からミニマリズムを体現してみるといい。
いつもパンを買うのではなく、パンを焼いてみる。ボタンが使えなくなったときは「カートに入れる」をクリックする代わりに自分で直す。このような工作や創造の小さな行為は、どんな買い物にも真似できない主体性をもたらす。
そして同様に重要なのは、購入を減らすことが生産性を超えた何かのための余地を作るということだ。創造性を育てる土壌となることが多い、退屈のためのスペースが生まれる。常に消費に気を取られることなく、話したり分かち合ったり、単純に他の人と一緒にいるといったつながりのための時間ができる。
このように、「買う」のではなく「作る」という決断は自己制限ではなく自己解放なのだ。利便性にあふれた暮らしから一歩踏み出すことで、私たちは意味のある人生に戻ることができる。


