欧州

2025.10.13 08:00

ロシア軍に近くキューバ人傭兵2万5000人加入か 武器・技術・経験共有する「枢軸」が拡大

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米ハドソン研究所のルーク・コフィー上級研究員(国家安全保障・外交政策)は筆者の取材にこう述べた。「北朝鮮やイランも、ロシアへの加担によって技術移転の恩恵を受けています。北朝鮮の場合、核開発計画、とくに潜水艦発射型核ミサイルの開発推進で支援を受けている可能性が高いでしょう」

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ウクライナの防衛アナリストらも、このパートナーシップはたんなる取引関係ではないと警告している。それはウクライナの戦場を、権威主義国の軍隊による「共通の学びの場」に変えつつあるのだ。

ウクライナのメチニコウ記念オデーサ国立大学のボロディミル・ドゥボビク教授(国際関係論)は筆者の取材に「ウクライナも人員面で問題を抱えているだけに、これは一段のプレッシャーになっています」と話した。「ロシアにとって、外部からの有能な戦闘員の供給は非常にありがたいものです」

ドローン戦のスキルが拡散する危険性

だが、最も大きな脅威は、ウクライナにいる外国人戦闘員の数ではなく、彼らが学んでいる内容かもしれない。

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米国のシンクタンク、力による平和研究所(PTSI)の設立者であるビル・コール代表によると、その危険はウクライナをはるかに超えて広がっている。「プーチンにマンパワー不足などありません。彼はつい最近も新たに13万人を徴兵しています」とコールは筆者のインタビューで語った。「実際に何が起こっているのかと言えば、ロシアのパートナー諸国が一枚噛みたがっているのです。北朝鮮人、キューバ人、中国人が現場にいるのは、たんにロシアのために戦うためだけでなく、現代戦、とりわけドローン戦の経験を積むためです」

コールによれば、ウクライナの戦場は、各外国人部隊が入れ替わり立ち替わり学ぶ実地の軍事アカデミーのような場になっている。

「ウクライナに順次送り込まれている外国人部隊は、世界初の大規模なドローン戦争の戦い方を学んでいます」とコールは指摘する。「これこそが危険なのです。ロシアの力だけでなく、そのパートナー諸国が、欧州や中南米、アジアでのほかの紛争に『輸出』できる戦場スキルを獲得していることが問題なのです」

クレムリンにとって、キューバや北朝鮮からの兵士調達は、国内の反発を最小限に抑えながら戦争を遂行するのに好都合な方策だ。他方、それはロシアのパートナー諸国にとって、現代のドローン戦や電子戦の戦術を学び、自国に持ち帰るまたとない好機になっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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